こういった疑問をお持ちの方に、実際に革靴転売を始めて3か月で月間20万円を稼いだぼくが
- 革靴転売を始めた理由と辞めた理由
- 革靴転売に必要な時間と稼げる金額
- 革靴転売でより稼ぐ方法
これらを共有したいと思います。
革靴転売を始めて3か月で月間20万円を稼ぎました
革靴と靴磨きが趣味のぼくは
とか思って革靴転売を始めました。
革靴と靴磨きが大好きな自分が革靴転売をやれば、それなりに儲かるだろうと言う根拠のない自信がありました。
そして実際、始めて3ヶ月で20万円ほどの利益を出すことができました。
こんな感じで、月間に15~20足くらいを売りさばきました。
革靴転売のウソ:「利益率50%」はありえない
世の中には革靴転売を勧める記事がたくさんあります。その中でよく見るのが、
っていう謳い文句です。
これに誘われて、革靴転売を始める人がなんて多いことか。ぼくもそうでしたし。
そして実際に革靴転売をやってみたうえで、断言します。
嘘っぱちです。
もし革靴転売を始めるなら、これは最低限知っておかないと、騙された気分になると思います。
なので、まずはここから解説させてください。
仕入値の3倍で売れば利益率50%
転売ビジネスにおける利益率は
利益率 =(売上 ー 原価 )÷ 売上
で求められます。
これが50%を超えるためには、
原価の2倍 < 売上
こうなる必要があります。
そして、売上と原価はそれぞれ以下です。
メモ
売上=靴を売った金額
原価=靴を売るために使った金額
ここで注目すべきが「原価」。この中に何が含まれるかというと・・・
- 仕入れた靴の代金
- 仕入時の交通費
- 発送資材の費用
- 売買手数料
- 送料
この辺が必要になってきます。
(厳密には会計上「原価」としないものも、単純化のため含めています)
靴の仕入れ費用以外にも必要なお金がたくさんあることがわかりますよね。
具体例を出しましょう。
例
売った金額(売上) :1万5000円
仕入れた靴(仕入値):5000円
売買手数料 :1500円
送料 :800円
→ 利益:7700円=利益率51%
※ 交通費不要の場合
※ 発送用資材が家にある場合
※ 一般的なフリマサイトの手数料の場合
この例でも仕入値の3倍で売って、やっと利益率50%を達成していることがわかります。
革靴の仕入れ方法は3パターン
革靴転売の仕入れ方法は主にこちらの3パターンです。
革靴転売の仕入れ方法
- 店舗仕入れ:
リサイクルショップ等で仕入れる - ネット仕入れ:
フリマアプリ等で仕入れる - 卸業者から仕入れ:
国内・海外の業者から中古革靴を購入する
ほとんどの人が、最初は店舗仕入れで革靴転売を始めます。
では、店舗仕入で利益率50%は達成できるのでしょうか?
市場価格の3分の1で売られている靴はほとんど無い
利益率50%以上を出すには
ということです。
これを満たす靴が、リサイクルショップに一体どれだけあると思いますか?
仕入先のお店だって、利益が欲しいわけですから。そんなに市場価格から外れた金額で売るわけがありません。
いやまぁ、全く無くはないんですよ?
たまーーーーにあります。
- 店員さんの間違い
- 店員さんの知識不足
こういった理由から、貴重なヴィンテージシューズがノーブランド扱いで売られてる、とか。たまにそういうことがあります。
でも、そんなの滅多に出会えないんです。ビジネスになるだけの母数は絶対に確保できません。
靴磨きと写真の撮り方で誤魔化してるだけ
上記の通り、利益率50%を狙える靴なんて滅多に売られていません。
それに対する反論かのように、革靴転売を勧める記事には
こんな感じのことが書いてます。
いやいや、誤魔化してるだけですよね。
- オールソール
- ライニングの補修
- クラックにパッチ
- 爪先やかかとの修繕
こういうところまで手を加えているなら「付加価値をつけている」と言えます。
しかし革靴転売の場合、ここまでやっている人はいません。
こんなことしてたら絶対に赤字になるので。
革靴転売でいう「手を加える=付加価値」とは、非常に基本的な靴磨きをしているだけです。
そんなの、ミスターミニットに持っていけば500円でやってくれますよ。しかも5分で。
それが、仕入値の3倍の値段で売るに値する「付加価値」になるでしょうか?
革靴転売では、靴磨きを割高で買わせる手段として用いています。
写真上でキレイに見えるようにする。そのためのプロセスです。
店舗仕入れ以外なら可能性はある
店舗仕入れ以外なら、市場価格の3分の1未満で靴を大量に仕入れられる可能性があります。
その辺はこの後解説します。
革靴転売で月間10万円稼ぐ方法
構造的に革靴転売で利益率50%をたたき出すのは難しいということが理解できたかと思います。
それでは、革靴転売では一体どの程度稼ぐことができるのでしょうか?
結論、月間10万円くらいなら誰でも実現できます。
ここでは革靴転売で月間10万円を稼ぐために必要な時間などを試算してみます。
目指すべき利益率は20%
ほとんどの人が店舗仕入れで革靴転売を始めると思うので、店舗仕入れの場合で試算しようと思います。
この場合、目指すべき利益率は20%です。
例
売った金額(売上) :8500円
仕入れた靴(仕入値):5000円
売買手数料 :850円
送料 :800円
→ 利益:1850円=利益率22%
※ 交通費不要の場合
※ 発送用資材が家にある場合
※ 一般的なフリマサイトの手数料の場合
こんな感じ。
このくらいなら、わりと誰でも実現可能。というわけで、利益率20%が革靴転売の1つの指標になるかと考えます。
仕入れる革靴の3つの条件
利益率20%を達成するにあたって、ぼくは以下の3つの条件を仕入れ基準にしていました。
仕入れてOKな条件
- 在庫リスクが小さいこと
- 大きなダメージがないこと
- 仕入れ値が2千~1万円の範囲
条件① 在庫リスクが小さい
これはすなわち
- 人気のあるメーカーかどうか
- 時期的に売れやすいかどうか
といったことが重要になってきます。
いくら良い靴でも売れなくては意味がありません。そして売れるにしても、1年後に売れるのでは遅すぎです。
なるべく回転良く売れる商品を仕入れる必要があります。
条件② 大きなダメージがない
- 極端な型崩れ
- クラック(ひび割れ)
- つま先・カカトの大きな削れ
他にもありますが、これらの大きなダメージがないかどうかをチェックします。
こうした補修にコストがかかる大きなダメージを受けた靴は仕入対象から除外しましょう。
条件③ 仕入れ値の目安は2千~1万円
- 最低額の目安は2千円
- 最高額の目安は1万円
革靴転売は送料や取引手数料などが必要なので、商品が安すぎると利益がかなり小さくなります。
また、逆に高すぎる商品は買い手が付きにくいため、在庫リスクが高まります。
したがって、商品の売値は4000円~1万5000円を目安としていました。
これを利益率20%に当てはめると、仕入れ値の目安は2000~10000円です。
この範囲に入らない靴を仕入れる場合は、より慎重に仕入れの判断をしましょう。
1ヶ月に出せる利益は10~15万円
さて、仕入れの条件も明確になったところで、1か月にどのくらいの利益が出せるか試算してみましょう。
結論から言うと「月間10~15万円」です。
1日に13足前後を仕入れ
上で紹介した仕入れの条件を満たす「仕入れるべき靴」は1店舗あたり平均1.3足くらいです。
休日に丸1日店舗巡りをすると、頑張れば10店舗くらい周れます。
したがって、1日に仕入れられるのは13足前後です。
仕入れた靴で10~15万円の利益を出す
仕入れ値を平均4000円だと仮定しましょう。
すると、利益率20%を出せる売値は7000円くらい。
仕入れた13足をすべて売り切ると
売値7000円 x 利益率20% = 利益1400円
利益1400円 x13足 = 約1万8000円
この通り、全部で約1万8000円の利益が出ます。
1ヶ月間、週末(土日x4週間で8日間)をすべて仕入れに回せば、
利益1万8000円 x 8日間 = 約14万4000円
この通り、10万円以上の利益を出すことが可能です。
ポイント
- 仕入の目安は1日当たり13足
- 仕入値の目安は1足4000円
- 売値の目安は1足7000円
- 1か月で14万円強が利益
1ヶ月に必要な時間は160時間
1ヶ月に10万円以上の利益が出せることはわかりました。
が、そのためにはどの程度働く必要があるのでしょうか?
項目 | 概要 | 時間 |
仕入れ | 毎週土日(8日間)の10時〜18時 | 64時間 |
靴磨き | 毎週土日(8日間)に13足ずつ=月間104足の仕入れ。1足あたり20分間。 | 約35時間 |
出品作業 | 104足、1足あたり15分間 | 26時間 |
売却作業 | 購入者とのやり取りや発送など。104足、1足あたり20分間 | 約35時間 |
合計 | 160時間 |
どうでしょうか。月間で160時間です。
ちなみに正社員の場合、労働基準法で定められている労働時間が1週間で40時間です。
だいたいそれと同じくらい働けば10万円以上の利益が出ることになりますね。
ポイント
- 毎週土日は全部仕入れ
- 正社員の労働時間と同じくらい働く
革靴転売で効率よく稼ぐ3つの方法
つまり月間で160時間働けば、14万円くらいは誰でも革靴転売で稼げる可能性があります。
現実的じゃないですよね。
実際には、労働時間と利益をそれぞれ小さくして「40時間で3~4万円」が妥当です。
ただし、工夫することで革靴転売でさらに大きな利益を上げることも可能です。
その方法がこちらの3つ。
革靴転売でより効率よく稼ぐ方法
- バイトを雇う
- 利益率を上げる
- 仕入値を下げる
方法① バイトを雇って作業時間圧縮
バイトを雇って自分の労働時間を減らし、効率を上げましょう。
- 靴磨き
- 出品作業
- 梱包作業
これらはバイトにお願いできるはずです。
だいたい50時間分をバイトにお願いすれば、時給900円で雇うと人件費は4万5000円。
利益が10万円ほどに減りますが、自分の労働時間は減らせます。
また、減った分の時間を利用してさらに仕入れを増やすことも可能です。
方法② 利益率を上げる
利益率を上げれば、必然的に稼ぐ効率が上がります。
利益率を上げるためには、主に2つの手段があります。
出品方法を工夫する
写真と説明文の書き方を工夫すれば、利益率を20%より上げられます。
利益率30%くらいまでは、ちょっと頑張れば誰でも到達可能です。
利益率30%になれば、単純に利益は1.5倍です。月間20万円の利益も可能。
また、取引手数料が安いプラットフォームで出品することも1つの手です。
利益率の高い商品を仕入れる
プレミア価格の付いた商品を仕入れることで利益率を上げます。
例えばビンテージの革靴です。
「ebay」なんかのサービスを使えば、日本で人気のあるビンテージシューズを市場価格よりも格段に安く購入できます。
方法③ 仕入れ値を下げる
安く仕入れる方法はいくつかあります。
- ネットで仕入れる
- 海外から個人輸入する
- 自分で買取も行う
ネットで仕入れる
メルカリなどを使ってインターネットで仕入れを行います。
実際に見てみるとわかりますが、2000〜3000円くらいでリーガルやスコッチグレインなんかを売りに出している方がたくさんいらっしゃいます。
ただし、ネット仕入は状態の悪い靴を仕入れてしまうリスクが飛躍的に高まります。
革靴の目利きがある程度できるようになるまでは、避けるのが無難です。
卸業者から購入する
国内、海外の中古革靴を取り扱っている業者から購入することも有力な手段の1つです。
特に、中国や東南アジアなど、海外から個人輸入してくるのおいしい。
購入ルートの構築さえできれば、かなり儲かると思います。
ただ、単純に難易度は高めですね。
自分で買取も行う
個人から買い取れば安く仕入れられます。
Web広告やポスティング等を使って、個人から靴を仕入れればいいわけです。
ただこれ、完全に古物商の資格が必要ですし、それなりに大変だと思いますけどね。
ぼくが革靴転売をやめた理由
上で解説した資産はあくまで目安。正直、ぼくなら40時間働いて月間30万円の利益くらいなら余裕で出せると思います。
それでもぼくは革靴転売から足を洗いました(靴だけに)。
一言で言えば
これです。
これから革靴転売を始めようと考えてる方。
そして今、革靴転売をされてる方。
ぜひお目通しいただきたいです。
革靴が好きなので、嘘がつけませんでした
ぼくは革靴が好きです。
どのくらい好きかと言うと、勢いでブログを作っちゃって、しかも「少しでも沢山の人に革靴の良さを共有したい」とか思っちゃうくらいです。
こだわってると商品数を揃えられない
そんなぼくが革靴転売をするとなると、当然
こういう商売をすることになります。
これだと革靴転売は薄利多売の労働集約型ビジネスなんです。
3000円の靴を12000円で売った。虚しくなった。
靴の質にこだわると、商品がそろわず利益が出ません。
そのため、仕方なく
- ボロボロな激安靴を購入
- 全力靴磨きで見た目向上
- 写真撮影も全力
- 商品説明も全力
こんな感じで、安い靴を高く売ることにしました。
すると面白いように売れます。3000円で仕入れた靴が、1万〜1万2千円で売れていくんです。
でも、しばらくやってるうちに心が荒んでくるんですね。
だって自分が売った靴に、売った金額分の価値がないことを知っているから。
やればやるほど、自分の革靴への思いから遠ざかる
購入してくださった方は、満足しているんだと思うんです。
クレーム等が入ったことはないですし。
ただそれって
ぼくは「自分だったら絶対買わないな」と思う値段で、革靴を売ってるわけです。
とかコメントが届くたびに、、、
ぼくはこのブログを、革靴が好きで、その気持ちをいろんな人と共有したくてやってます。
そんなぼくが、革靴初心者をだますようなマネをするとか、自己矛盾が大きすぎてストレスが凄かったです。
まっとうに利益を増やそうと思うとリスク&手間が大きすぎる
そういうわけで、ぼくは「安く仕入れて高く売る」方法で利益を増やすことができませんでした。
となると、残された方法は
- ネットで仕入れる
- 卸業者から仕入れる
- 自分で買い取りもする
このくらい。どれもぼくにとってはリスクや手間が大きすぎるように感じました。
さらに言えば、それなりの金額の利益を出すなら、古物商の資格が必要です。
革靴転売、ぼくには圧倒的に向いてなかった
そういうわけで、革靴転売はぼくには全く向いていませんでした。
本気出せば、今でも大きく稼ぐことが可能です。ビンテージシューズの知識も得た今となっては、ぶっちゃけかなりの金額の利益も狙えると思います。
それでも、買う側として革靴を楽しみたいというのが今のぼくの気持ちです。
革靴転売よりも、アパレル転売とか別の副業がおすすめ
ぼくが革靴転売をやめたのは、以上の通り自分に向いてなかったからです。
さらに言えば、もっと稼げる副業があると思いました。
たとえば、アパレル転売。
要するに古着の転売です。
革靴を仕入れる際についでに仕入れてみて実際にやったことがあります。
服にあまり興味がないのでやめてしまいましたが・・・。
少なくともアパレル転売は革靴転売より利益を出しやすいと思いますね。
そもそも革靴転売の難しさって、仕入れの難しさが大きいんですよ。
中古革靴って、そんなに取り扱いは多くないですよね。大型のお店でも、1店舗あたり多くて100〜200足くらいです。
一方、古着であれば革靴転売に比べて以下のメリットがあります。
- 仕入れ値が安い
- 店舗ごとの商品数が多い
- 個人の所有数が革靴よりも多い
- 流行があり同じ人が何度も買う
- 革靴より中古への苦手意識が薄い
- 小さいので大量仕入れ可能、送料も安い
パッと思いつくだけでもこれだけあります。
- 店舗ごとの商品数が多い
他にもブログやアフィリエイト、投資など、お勧めの副業はたくさんあります。
今度、その辺もまとめようかと思います。
まとめ:個人的に革靴転売は勧められない
ぼく個人としては、革靴転売はお勧めしません。心身が疲弊するので。
ただ、
- 仕入れ方を工夫
- 利益率で欲張りすぎない
- 写真、説明テキストを工夫
この3つの努力ができる方であれば、今でも革靴転売は稼げる副業だと思います。
もし革靴転売で、健全に利益をスケールできる方法を構築できたら、ぜひ教えてください。←