先日「いろんな靴を見たい&履きたい」と思いまして、いろんな靴屋さんをめぐってきました。
今日は気分の赴くまま
・エドワードグリーン
・コメ兵
・トレーディングポスト
・ロイドフットウェア
・JM.Weston
・SUPER8SHOUES
・Safari
と歩き回りました。1足やっべぇ靴に出会ったのですが予算オーバーで断念。
…ただその靴、かっこよすぎたので、来週あたり買ってたらどうしよう。
— 小野@革靴を履いたマーケター(ダイエット中) (@ono_sj) October 26, 2019
そこで、とんでもない靴に出会ってしまいまして。
ツイートにあるように、その場では諦めて帰ったのですが、やはり忘れることができず購入してしまいました。
今日はその靴の紹介をしたいと思います。
買ったのは渋すぎるフローシャイム
何はともあれ、まずはこちらをご覧ください。
どうです?
渋すぎません?
かっこよすぎません?
渋すぎです。
3アイレット、アッパーはカーフ。
型押しされており、エキゾチックレザー風のデザインに仕上がっています。
渋すぎます。
ヒールカップも小ぶりで、踵の小さなぼくでもジャストフィット。
おしりの形がとてもきれいで美しいです。
で、こちらの靴なのですが。
とにかくヤバイ靴なんですね。
驚愕のヤバすぎポイント7選
①「丁寧すぎる造り」がヤバイ
どうですか。このステッチ(縫い目)の細かさ。
ビンテージシューズにありがちな、異常に細かい縫い目が見て取れます。
比較のために、他の靴を見てみましょう
どうですか?
同じフローシャイムでも2000年代に入ってからのものと比べると、非常に縫い目が細かいですよね。
さらに、現在はフローシャイムよりも高級な部類に入るCRMINA(カルミーナ)と比べても、差は歴然です。
これは革質が格段に良いことの証明です。
縫い目を付けるには革に穴を空けて糸を通さねばなりません。
質の悪い革だと、あまりに細かく穴を開けると革が裂けてしまいます。
きめの細かい良質な革だからこそ可能な、熟練の職人による細かい縫い目。
実際に上の写真でも、今回の靴に使われている革が他の写真の靴よりも数段きめ細かいことが見て取れるのではないでしょうか。
さらに、インソールには
メモ
UNION MADE
PED-FLEX
PROCESS
PAT.PEND.
の表記。
上下に「J」と「②」の刻印も見られます。
PED-FLEXはフローシャイム独自の製法で、商標も取られています。
1930年代から使われている製法だそうですが、刻印の意味も含め、ぼく程度の知識では詳細は分かりません。
とりあえず、アウトソールの返りを意識することで歩きやすさを追求した製法だというのは聞いたことがあります。
それを証明するかのように?
このように、ソールは立体的な造りをしています。
アメリカ靴とは思えない美麗なシルエットです。
ちなみにヒールのこの部分が、前に張り出すようにカットされる造りもビンテージによく見られる仕様ですね。
②「製造年」がヤバイ
上でご説明した通り、この靴はビンテージシューズなわけですが、では何年に作られた靴なのか?
フローシャイムは年代の判別方法がある程度確立されています。
その年代判別方法と購入店舗の証言から、今回の靴は1965年につくられた靴であると考えています。
1960年代のフローシャイムは頭抜けた品質を誇ることで有名です。
- 革を取るための牛の飼育頭数の減少
- 環境への配慮による使用薬剤の規制
- 工房や職人の減少と、それによる技術の継承失敗
これらの影響からどんどん良質な革をつくるのが難しくなり、昔の革ほど革質は良いとされています。
1960年代以前のフローシャイム。
これはビンテージシューズ好きにとって、1つのあこがれであると言っても過言ではありません。
②「デッドストック」がヤバイ
しかも今回の靴、デッドストック(Deadstock)です。
デッドストックとは売れ残りのこと。
つまりこの靴、新品なんです。
ソール(靴底)もヒール(踵部分)も、めちゃめちゃきれいですよね。
もちろんつくられた当時のオリジナルのソールとヒールが付いています。
ヒールはこの年代特有の釘穴つきのやつですね。
刻印がキレイに残っています。
今まで誰も試着以外で履いていないということの証明です。
④「サイズ」がヤバイ
古いアメリカ靴って「9A」だの「10B」だの、市場に出回っているのはやたらと細長い靴ばかりです。
そんな中、この靴のサイズは8C。
超珍しい日本人サイズです。
で、ぼくの足にめちゃめちゃジャストサイズなんですよね。
甲が低く、羽根が閉じ切ることもない。
踵が小さめで、しっかり付いてくる。
細身に作られていて、靴の中で足が無駄に動かない。
これだけの品質を誇るビンテージシューズが日本人サイズ。
⑤ 「型番が無い」のがヤバイ
こちらをご覧ください。
この靴のサイズとかが書かれている部分です。
画像だとわかりにくいですが
メモ
8 C 2338 22
AF
LPP??? OF CALFSKIN
と書いてます。
(3行目の文頭は読み取れませんでした)
注目すべきは2行目かと。
AFはフローシャイムの年代特定に使われる英字ですね。
意味は今度改めて記事にします。
本来、この2文字のアルファベットの左に、型番となる5桁の数字があるはずなんですよね。
この靴、それが存在しないんです。笑
消えたとかじゃなく、最初から無かったっぽいんですよね。
購入店舗曰く
- スペシャルオーダー
- 「〇周年記念!」みたいなタイミング
などの特別な理由でつくられた靴だから型番の表記がないのではないか、とのこと。
こちらも謎なので、どなたか詳しい方がいたら教えてください。
⑥「付属品」がヤバイ
この靴、なんと発売された時の付属品がそのまま残っています。
箱はないんですけど。
それがこちら。
靴の内部に入れる、布(厚紙?)で作られたシューキーパー的なやつです。
骨折したときにつけるギプスみたいな手触り。
おそらく靴と同じ木型でつくられています。
形が全く同じで、入れるとミラクルフィットします。
この靴、古いわりに形崩れが一切なく、すごくきれいだと思ったのですが、ほぼ間違いなくこの付属品が残っていたおかげでしょう。
この付属品にも、手書きで「8C 568」と記載があります。
8Cはサイズとして、568ってなんの数字なんでしょう。「568個目」とかかな。わかりません。
当時の職人さんが書いたのでしょうか。
左右で上下が逆転しているのが笑えます。
こんなんが付属しているビンテージシューズなんて見たことありますか?
⑦「浪漫」がヤバイ
ここまで上げたこの靴のヤバさ。
- 半世紀以上前のアメリカでつくられた靴
- ビンテージシューズならではの丁寧な造り
- 他の誰にも履かれることなく、今まで残ってた
- 型番を付ける必要もないくらいの特別な1足
- 付属品が残ってたおかげで型崩れもなく超きれい
こんな靴が、現代を生きるぼくの足にミラクルフィットするわけです。
もうぼくに履かれるために今まで残ってきたんだと思うわけです。
末永くぼくの足元を支えてもらいたいと思います。
購入店舗はSUPER8SHOES
これだけやばい靴が買えるのはあの店しかないですね。
SUPER8SHOESさんです。
先日オールソールでもお世話になりました。
-
靴買って初日にオールソール SUPER8SHOESさん、さすがっす
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こんなレアな靴が、普通に店の隅の棚に置いてありますからね。意味が分かりません。
オーナーの堀口さん、あんたは頭がおかしいよ。
今回の靴を購入する際も、
そんな軽く言われてもね。
乾いた笑いしか出ませんでしたね。
アメリカのビンテージシューズがお好きな方は、ぜひ行ってみてほしいお店です。
ビンテージシューズのお店としては、間違いなく日本一だと思います。
まとめ:唯一無二の靴。これからマジで大切にしていきます
今回購入した靴はガチでマジの唯一無二。
これから一生、同じモデルの靴に出会うことはないと思います。
しかもぼくの足にミラクルフィット。
運命の一足といっても過言ではありません。
これから大切に履いていきたいと思います。
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