こんにちは、小野です
前回、住宅ローンの事前審査も無事に通過し、売主様もぼくが提示した条件に同意してくれて・・・
ついに売買契約へと進む段階まで来ましたね。
上記の記事内でも登場しましたが、ぼくは今回の売買交渉を少しでも有利に進めるため
直筆の手紙
を用意しておりました。
注文住宅の本筋からは外れますが・・・今回は閑話休題ということで、
- 手紙を用意した理由
- 手紙を書く上でのポイント
- 実際に売主様に宛てた手紙の下書き
をご紹介したいと思います!
なぜ用意した?交渉における手紙の有効性
そもそも「手紙なんて効果あるの?」ってところですが・・・
ぼくは、なんだかんだで「手紙」ってすごく効果があると思っています。
これは個人の考え方・感じ方によりますので、論理的に説明できない部分です。
そのため「いらないでしょ」という方がいるのも理解しています。
事実、手紙を書く前にザブトンに「手紙を書こうと思うがどうか?」という相談をしたところ・・・
いやー、最近は書く方はかなり少ないですよ?
書いていただいてもいいですが、手紙を使うかどうか(先方に渡すかどうか)については、僕の判断でさせてください
という感じでした。
実際に手紙を書いたところ、効果アリだったように思います
本編には登場していませんが、先方との細かいやり取りは、主にザブトンの上司の方にご担当いただきました。
その方はザブトンとは真逆で、
手紙!良いじゃないですか!絶対効果ありますよ!渡しておきますね!
って感じの反応。
事実、ワク土地Eには申込みが複数入っていたようでしたが・・・
結果的にぼくが売買契約へと駒を進めました(申し込み順で1位だったのもありますけど)。
- 3桁万円の値引き
- 手付金を100万円→20万円に値引き
- 引渡し時期は売主の要望に沿うが、時期をある程度特定すること
- 設備補修等、売主側の義務を一部免責する
このように、ぼくにとって都合の良い条件を提示したにもかかわらず、です。
そして売主様からお返事をもらった際には
ぜひ小野様にご購入いただきたい
とまで仰っていただきました。
数値で測ることはできません。
ですがこうした事実を踏まえて、ぼくは今回の交渉においても手紙はかなり有効に働いたと思っています。
仕事の場でも有効。個人間取引でも同じじゃないかな
ぼくは医療系サービスを展開するIT企業で働いています。
職種としては企画なんですが、他の企業とのアライアンスを担当することもあります。
そうなると、
- 病医院の院長先生
- 薬局グループの社長
- 大手企業の部長・取締役
などをされている方とのコミュニケーションが多いんですね。
こうした仕事をされるような年齢層の方々には、手紙はかなり喜ばれます。
今回の不動産取引は仕事ではなく、個人間の取引ですが・・・同じことですよね。
人間同士でのやり取りですから、気持ちが伝わりやすい「手紙」は、とても良いツールだと思ってます。
不動産売買で手紙が有効になる3つの条件
とは言え、どんな場合でも手紙が有効とは思ってません
下記の条件を満たすほど、効果が大きくなると思ってます。
手紙が効果を発揮する条件
- 売主が個人
- 投資家じゃない
- 売主が50代以上
手紙が効果的になる条件① 売主が個人
相手が個人の方のほうが、手紙は効果を発揮しやすいでしょう。
手紙は基本的に「情に訴える」方法だからです。相手が法人(不動産会社など)だと効果が薄くなります。
ただし相手が法人であっても、地域の小さな会社である場合、実質的に社長=個人を相手とした売買になることがあります。
そんなときは、手紙はかなり大きな効果を発揮します。
小さな会社の社長さんって、直筆の手紙に弱い傾向があると思いますw
手紙が効果的になる条件② 投資家じゃない
これも上記と同じような話ですが・・・
売主が不動産売買に明るくないほうが、手紙は効果を発揮しやすいです。
不動産投資家は「投資的に妥当かどうか」で売却条件を判断します。
性格にもよるので断定はできませんが・・・
情に訴える作戦は通じにくい相手ですね
手紙が効果的になる条件③ 売主が50代以上
若い人は情にあまり流されません。笑
ある程度年齢を重ねた、50代以上の方のほうが手紙の効果は大きくなります。
特に子育てを経験した方ですと、手紙の反応が良いように感じます
売主様への手紙を書く上で重視した5つのポイント
それでは、手紙を書く際のポイントをご紹介します
ちなみに時候の挨拶など、手紙のマナー的な部分は解説しません。
そのへんはいろんなサイトで解説されてるので、Googleで検索してください。
ここでは、今回ぼくが売主様宛の手紙を書くにあたって重視したポイントに絞ってご紹介します。
売主様宛の手紙のポイント
- 直筆で書く
- 地域を褒める
- 物件を褒める
- 人間性を褒める
- なるべくエモく意思を伝える
手紙を書く際のポイント① 直筆で書く
たぶんこれが一番大切です
印刷されたものと違って・・・
直筆で書かれた文章というのは、それだけで人を引き込む力があります。
別に字が汚くたっていいんです。
一生懸命、丁寧に書けば、それは人に伝わります。
ぼくも文章を手で書くのはかなり久しぶりで、字が汚すぎて嫌になりましたが・・・頑張って直筆しました。
文章を考える時間も含めて、1.5〜2時間くらいかかりましたね。笑
手紙を書く際のポイント② 地域を褒める
交渉の基本は「いかに相手を気持ちよくさせるか」です
売主はその地域に長く住んでらっしゃる方なことが多いです。
となると、地域への愛着も深いですよね。
自分が好きなものを褒められて、嬉しくない人はいません。
(例)
- とても閑静な住宅街で…
- きれいに整えられた分譲地で…
- 子供の明るい声が響く雰囲気のいい場所で…
など
手紙を書く際のポイント③ 物件を褒める
その物件を買いたいと思った理由をそのまま書いても良いかもです
これも「地域を褒める」と同じような話ですが・・・
自分の持ち物を褒められて、嬉しくない人はいません。
なぜその物件を買おうと思ったか、その物件で特に良いと思った点を書くと良いです。
(例)
- 南側道路でとても明るく…
- 隣に公園があり環境が良いと…
- 主要道路から1本入っているので静かで…
など
「短所を挙げる」のは最悪の手
これは不動産売買に限りませんが・・・
値引き交渉をする場合にありがちなんですが、短所を理由に交渉をするのはオススメしません。
いや、家電量販店とかで「展示品だから」「傷があるから」と交渉するのは良いと思いますよ?
でも相手が個人の場合、短所を理由に値引きを迫るのは最悪の手です。
自分のものを貶されると、単純に気分が悪いですよね。
普通に考えて「じゃあ買わなくていいよ」ってなります。
物件には必ずデメリットもありますが、そういった内容を売主に伝えてはいけません。
手紙を書く際のポイント④ 人間性を褒める
これは特に「中古物件」のときに有効と思います
家には、そこに住む人の人間性が現れます。
現在の家から読み取れる、売主様の人間性を褒めましょう。
褒められて嬉しくない人はいません。
(例)
- 整えられた植栽から、頻繁にお庭に手をかけてこられたものと…
- 築●年の外壁とは思えず、ご自宅をとても大切にされてきたのだと…
- 子供部屋が広く庭には遊具もあり、お子様をのびのびと育ててこられたのかと…
など
手紙を書く際のポイント⑤ なるべくエモく意思を伝える
これが最後の決め手です
手紙は情に訴える方法ですので・・・
なるべく、可能な限り、エモい文章を書いてください。
少し恥ずかしい文章になるくらいで丁度いいです。
エモい文章のコツ 自分の状況を簡潔に伝える
エモくするには、それを読んだ売主が感情移入することが重要です。
それには手紙の差出人(=あなた)がどんな人かが見えることが必要。
自分の家族構成や、不動産購入を検討した理由などを簡潔に伝えましょう。
(例)
- ●月に子供が産まれたのをきっかけに…
- 両親と同居しようと思い…
- 結婚を機に…
など
エモい文章のコツ 自分の状況を絡めて物件を褒める
自分の状況に絡めて物件を褒めると良いです。
こうすることで「なぜ自分が売主の物件を欲しいと思ったか」が明確に相手に伝わります。
こういう事情から、あなたの土地(家)が欲しいです。
とハッキリ伝えましょう。
(例)
- 隣に公園があり、子育てには最適と…
- 広くて車通りも少なく、老齢の両親でも安心と…
- 閑静な住宅街で子供も多く、これから子供を設けるには最高の…
など
エモい文章のコツ 相手の環境・状況にも理解を示す
自分の都合だけを伝えていても、相手の心は動きません。
不動産会社経由で、売主様の売却理由なんかも聞いていると思います。
そういった売主側の環境や事情を手紙にを盛り込み、理解を示しましょう。
特に中古物件を購入後、解体して新築を予定している場合は重要と思います。
相手は自分が住み慣れた家を壊されてしまうわけなので・・・配慮が必要ではないかと。
(例)
- 売主様のお家をそのまま引き継げれば良いのですが、間取りが〜〜のため難しく…
- 今回は〜〜で売却を検討されたとのことで、大変なご苦労が…
- なるべく早期の引渡しをご希望とのことで、私達としても…
など
エモい文章のコツ まずは口語基調、恥ずかしい言葉を使おう
かたっ苦しい文章で人間の心は動きません。
程度は考えないといけませんが・・・
口語っぽい文章のほうが、柔らかくて伝わりやすくなると思います。
また、普段は使わないような恥ずかしい言葉も使うと、売主様の心も動かしやすいんじゃないかと思います。笑
(例)
- 売主様のご苦労を、私達に引き継がせて…
- 売主様のご家族の思い出の地で、今度は私達家族の生活をスタートできればと…
- 家は無くなってしまっても、売主様のお気持ちを私達が受け取って…
など
実際にぼくが売主様に書いた手紙サンプルを公開
ぼくが書いた手紙の下書きを公開します
ちょっと恥ずかしいですけどね・・・。
上述したポイントを踏まえて書いた文章です。
個人情報に繋がる部分は改変してますし、実際に手で書きながら修正した部分もあるので、完全に同じではありませんが、ほぼそのままです。
物件ごとに条件はかなり違うので、そのままは使えないと思いますけど、よければ参考にしてください。
拝啓
突然お手紙を差し上げる失礼をお許しください。この度、売主様のご自宅の購入を希望しております、小野と申します。
今年●月に第一子が誕生したことを機に、中古住宅や土地を探し始めました。そこで売主様の物件に出会った次第です。閑静な住宅街で、日当たりも良く、子育てには申し分ない環境であるとお見受けし、理想的であると考えました。
ご自宅は二世帯住宅とのことで、家族との生活を本当に大切に、これまで過ごされてきたものと存じます。また新築から20年以上を経ているとは思えない外観や、整えられた植栽を拝見し、お家自体も丁寧に、大切に手入れされてきたものと思います。
本来は、売主様がこれまで大切にされてきたお宅をそのまま譲り受け、引き継ぐことができれば、それほど良いことはないと考えております。
しかしながら、二世帯向けの間取りを今の私共が使いこなすのは難しいと感じております。また築年数を踏まえて、現状のままでより長期にわたり住み続けることは難しいかもしれないと考えました。そこで、誠に申し訳ないのですが、建て替えを前提とした購入を希望しております。
家族との時間をより長く過ごすことができる家を建てるため、売主様のお宅をお譲りいただけませんでしょうか。
大変失礼ながら、建て替えのための費用も踏まえた私どもの購入希望額にて申し込みをさせていただくことをお許しください。売主様のお考えとそぐわない場合には、改めて条件を調整する機会を頂戴できますと幸甚です。
夜寒の折、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
敬具
令和●年 ●月 ●日
小野 ●●
まとめ:売主様の手紙には自分の気持ちを思いっきりぶつけよう
まぁ、いろいろと細かいことを書きましたが・・・
結局、大切なのは気持ちをまっすぐに伝えることです。
手紙はそのためのツールでしかありません。
でも不動産会社経由で伝えるのと比べて、手紙は自分の気持が伝わりやすいと思います。
不動産売買って、結局は人と人の間で行われることなので、こういう情に訴える部分の重要性は馬鹿にならないんじゃないかと思います。
皆さんも、売買交渉の際にはお手紙を書いてみてはいかがでしょうか。