レザーソール(革製靴底)の革靴に付きまとう、永遠に解けない問題。その一つが、
今回は10年革靴を履き、お手入れを続けてきた僕が行き着いた答えを紹介します。
また、ぼくの考えをもとに4つの質問に答えるだけでハーフラバーを貼るべきタイミングがわかるフローチャートを作成しました。
これであなたも「ハーフラバーを貼った方がいいの!?問題」から解脱できます。良かったですね。
それでは解説していきます。
自分はハーフラバーを貼るべき?4つの質問で分かる「貼るべきタイミング」
10年の革靴歴をもとに行き着いたフローチャートがこれ。
初心者の方はここだけ読んでハーフラバーを貼るかどうか判断すればOKです。理由とかどうでもいい方はここから先は読まなくても大丈夫。笑
ハーフラバーのタイミングを計る質問
- ビンテージシューズですか?
- これからも20年、30年と履き続けたい革靴ですか?
- その革靴を履く頻度は1か月に2回以下ですか?
- 少し寿命が縮まろうが、オリジナルのソールを楽しみたいですか?
質問①ビンテージシューズですか?
製造から20~30年以上経過しているような、古い革靴であれば貼った方がいいでしょう。
特にソールがオリジナルのまま残っているようでしたら、状態を維持するためにもハーフラバーを貼ることをオススメします。
質問②これからも20年、30年と履き続けたい革靴ですか?
革靴は手入れ次第で10年履けますが、20年~30年も履くつもりであれば、それ前提のお付き合いが必要です。
逆に、そこまでの愛着があるわけじゃなく、オリジナルのソールの感触を楽しみたいのであれば、貼らなくてもいいんじゃないでしょうか。
質問③その革靴を履く頻度は1か月に2回以下ですか?
ソールが減る度合いは、もちろん履く頻度に左右されます。2週間に1回以下でしか履かないのであれば、ハーフラバーを貼らなくても大丈夫でしょう。
履く頻度が少ないのであれば、ハーフラバーを貼ることによるデメリットの方が大きいと考えます。
質問④少し寿命が縮まろうが、オリジナルのソールを楽しみたいですか?
オールソール1回分くらいなら、せいぜい数年分、寿命が縮まるくらいで済むでしょう。それが気にならないなら、1度目のオールソールまでハーフラバーを貼らないのも1つの選択肢だと思います。
オリジナルのオールソールならともかく、多くの場合、オールソールによって履き心地は変わります。そのタイミングでハーフラバーをすれば、デメリットもほとんど感じられないはず。
逆に少しも寿命を減らしたくないのであれば、2~3回程度普通に履いて返りが付いたころにハーフラバーを貼るのがいいと思います。
ハーフラバーはレザーソールに貼り付けるゴム製シート
ここから先は、上記のフローチャートのもととなる解説を知りたい方だけ読んでください。
上の写真はに写っている2足の靴は、両方クロケット&ジョーンズのケンジントンという同じモデルの革靴です。
≫ クロケット&ジョーンズの謎の名作 ケンジントン2足をレビュー!
レザーソールの革靴ですが、片方はオリジナルのまま。もう片方には薄いゴム底みたいなのが貼ってあります。
このゴム製のシートみたいなのがハーフラバーです。
ハーフラバーはこのように、レザーソールの地面と接する部分に、上から貼り付ける形で使用します。
目的はソールの保護と革靴の寿命UP
ハーフラバーを貼る目的はレザーソールの保護です。ソールの上にゴム製シートが被せることで、直接ソールが減るのを防ぎます。
こちらの記事で解説したとおり、ソールは革靴の寿命に直結する部分。ここを保護することで、革靴の寿命が大きく伸びることを期待できます。
ハーフラバーのメリット・デメリット
ハーフラバーにはメリット、デメリット両方あります。そのため革靴好きの間では
- ハーフラバー貼る派
- ハーフラバー貼らない派
この2組による激しい戦いが繰り広げられてます。ちなみにぼくは基本的に貼る派(ハーフラバーLOVER)です。
ここでは、よく指摘されるハーブラバーのメリットとデメリットを両方紹介します。
ハーフラバーの3つのメリット
ハーフラバーを貼ることのメリットとしてよく挙がるのは大きく分けてこの4つ。
ハーフラバーのメリット
- 革靴の寿命が延びる
- 滑り止め効果がある
- 水に強くなる
ハーフラバーのメリット①革靴の寿命が延びる
ハーフラバーがすり減っても、ハーフラバーのみを交換することができます。
先ほど解説した通りですが、これにより、オールソールの頻度が極端に減り、革靴の寿命が延びるんです。
革靴好きにとって、これ以上ないメリットと言えるでしょう。
ハーフラバーのメリット②滑り止め効果がある
「レザーソールは滑る」
これマジでよく言われますよね。実際、ラバーソールに比べると滑りやすいと思います。
ハーフラバーはゴム製のシートですので、これを貼ることで滑り止めの効果が得られます。
特に雨の日なんかは露骨に滑りますので、安心して歩けるというのは大きなメリットですね。
ハーフラバーのメリット③水に強くなる
ハーフラバーを貼ると、直接レザーソールが水に触れる量を減らすことができます。
ソールが水を吸収する量が減り、摩耗しずらくなりますし、何よりカビも生えにくい。
雨は革靴の大敵と言ってもいいので、これに強くなるというも大きなメリットです。
ハーフラバーの4つのデメリット
逆に、ハーフラバーを貼ることのデメリットとしてよく挙がることが多いのがこの4つ。
ハーフラバーのデメリット
- 歩き心地・履き心地が損なわれる
- 返りが悪くなる
- 通気性の悪化
- 見た目の悪化
ハーフラバーのデメリット①歩き心地・履き心地が損なわれる
レザーソールには、ラバーソールには無い独特の歩き心地があります。
- 「コッコッ」という足音
- 「マフッ」とした地面を踏む感触
こういう楽しみはハーフラバーを貼ることで失われてしまいます。
そして何より、ハーフラバーを貼ることを前提につくられる革靴は存在しません。従ってハーフラバーを貼ることにより、作り手が想定していた革靴の前後のバランスが崩れてしまいます。
ハーフラバーの厚みはせいぜい1ミリとかですが、これによって革靴の履き心地は変化します。
このように、レザーソールの歩き心地や、その革靴独自の履き心地は、ハーフラバーを貼ると損なわれる可能性があるということです。
ハーフラバーのデメリット②返りが悪くなる
革靴の「返り」とは、こんな感じで、革靴の前方が上に向かって反り返ることを言います。
この「返り」には
- より歩きやすくなる
- つま先が削れにくくなる
などの効果があります。ハーフラバーを貼ることで厚みが増し、「返り」が付きにくくなるとされています。
ハーフラバーのデメリット③通気性の悪化
革とゴムなら、もちろん革の方が通気性に優れています。
レザーソールの上からゴムを貼るわけですので、通気性が悪化するという意見が多いです。
ハーフラバーのデメリット④見た目の悪化
単純に「カッコ悪い」っていう意見ですね。これもよく見かけます。
ハーフラバーを貼らない条件・貼る条件
ここで、ハーフラバーのメリットやデメリットを踏まえた貼らない条件と貼る条件をご紹介。
貼る条件
- 滑り止めや防水効果が狙いなら貼らない
- レザーソールが好き過ぎなら貼らない
- 革靴を20足以上持ってるなら貼らない
- とにかく大事にしたい革靴には貼ろう
ハーフラバーを貼らない条件滑り止めや防水効果だけが狙いなら貼らない
みたいな記事、よく見ますよね。個人的にこれには反対です。
滑り止め効果なら、ハーフラバーを貼るよりトップリフト(カカトの部分)をゴム製にする方がよほど効果があります。
ハーフラバーを貼ってもコバ部分は水に触れるので、防水効果がそこまで高いわけじゃありません。
ハーフラバーを貼らない条件レザーソールが好き過ぎなら貼らない
ハーフラバーを貼ると、どうしても歩き心地や履き心地は変化してしまいます。
- レザーソールの歩き心地が大好き!
- その革靴独自の履き心地を堪能したい!
確かにハーフラバーを貼ると革靴の寿命は延びますが、こういった気持ちに比べればそんなのどうでもよくなってしまうことだってありますよね。
ハーフラバーを貼らない条件革靴を20足以上持ってるなら貼らない
革靴を20足以上持ってれば、1か月に1~2回しか履かずに済みます。
このくらいの頻度しか履かないなら、ハーフラバーを貼らなくてもそれほどソールは減りません。
こういう場合は貼ることのメリットが小さくなるので、貼らなくてもいいでしょう。
ハーフラバーを貼る条件とにかく大事にしたい革靴には貼ろう
もはやここまでくると気持ちの問題です。
なるべく長く、20年、30年と一緒に歩みたい革靴には貼った方がいいです。その方が革靴へのダメージが少なく済むのは間違いないので。
特にオリジナルのソールが残っているビンテージシューズなんかは、歴史的価値なんかもあったりするので、状態を維持するためにも貼った方がいいと思います。
ハーフラバーを貼るべき3つのタイミング
ここまでで、ハーフラバーを貼るべきかどうかはご自身で判断できるようになったのではないでしょうか。
次は、ハーフラバーを貼るタイミングについて解説します。
ハーフラバーを貼るには、大きく分けてこの3つのタイミングが考えられます。
ハーフラバーを貼るタイミング
- 買ってすぐ
- 返りが付いたとき
- 最初のオールソール
タイミング①買ってすぐ
- 最もソールを良い状態で維持できる
- オリジナルの履き心地は楽しめない
- 返りが付くまでに時間がかかる
最初のタイミングは買った直後。ただしプレメンテはしてください。
ここで貼ることで、ソールを最も良い状態でキープできます。ただしオリジナルのソールの歩き心地、履き心地は楽しめないのがツラいところ。また、返りが付くまで時間がかかると予想できます。
ここで貼るべき革靴
- 中古のビンテージシューズ
- 雨の日用に買った革靴
- とにかく長いおつきあいをしたい革靴
タイミング②返りが付いたとき
- 2~3回履いたらハーフラバー
- 返りが付きやすい
- オリジナルのソールを楽しめる
購入後しばらくはオリジナルのソールを楽しみましょう。返りが付いたころに、ハーフラバーを付けます。
ハーフラバーって、貼る前にソールを研磨して接着剤が付きやすくしてから貼るんですよ。
こういう貧乏根性です。笑
ここで貼るべき革靴
- ①と③に当てはまらない革靴
タイミング③最初のオールソール
- オリジナルの履き心地を堪能
- ハーフラバーの影響がわかりにくい
- コストが一気にかかるので費用は高額に
こういうワガママな方にオススメなのがこのタイミング。
オールソール1回分くらいなら、革靴の寿命にそこまでの悪影響はありません。せいぜい数年程度でしょう。
オールソールすると多少なりと履き心地に変化がありますので、ついでにハーフラバーを貼ってしまいます。
ここで貼るべき革靴
- そこまで寿命が気にならない革靴
- オリジナルの履き心地を心行くまで堪能したい革靴
まとめ:ハーフラバーはソールを保護する目的で貼ろう
ハーフラバーのタイミングを計る質問
- ビンテージシューズですか?
- これからも20年、30年と履き続けたい革靴ですか?
- その革靴を履く頻度は1か月に2回以下ですか?
- 少し寿命が縮まろうが、オリジナルのソールを楽しみたいですか?
ハーフラバーを貼るかどうか悩んでいる方は、上記4つの質問を自分に投げかけてみてください。
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