革靴修理

4つの質問で分かる革靴へのハーフラバーの必要性と貼るべきタイミング

ハーフラバーは貼るべきか
レザーソールの革靴を買った。滑りにくくするにはハーフラバーが有効って聞いたけど、貼るべきなの?
猿
革靴買ってウッキウキな人

レザーソール(革底)の革靴に付きまとう、永遠に解けない問題。

その一つが、

ハーフラバーって張った方がいいの!?問題

小野
これです

今回は10年革靴を履き、お手入れを続けてきた僕が行き着いた答えを紹介します。

また、ぼくの考えをもとに4つの質問に答えるだけでハーフラバーを貼るべきタイミングがわかるフローチャートを作成しました。

これであなたも「ハーフラバーを貼った方がいいの!?問題」から解脱できます。良かったですね。

それでは解説していきます。

4つの質問で分かる「ハーフラバーを貼るべきタイミング」

まずはこれ。

10年の革靴歴をもとに行き着いたぼくの考えをもとに、「ハーフラバーを貼るべきか」「貼るならいつがいいのか」が4つの質問に答えるだけで分かるフローチャートを作成しました。

初心者の方はここだけ読んでハーフラバーを貼るかどうか判断すればOKです。

ハーフラバーを貼るタイミングフローチャート

ぶっちゃけ上のフローチャートで行き着いた答えが個人的な最適解です。

理由とかどうでもいい方はここから先は読まなくても大丈夫。笑

ハーフラバーとは、レザーソールを保護するゴム製の部材のこと

ここからは、上で紹介したフローチャートを作成するもととなった、ぼくの考えを紹介していきます。

まずはこちらをご覧ください。

ハーフラバーを貼っている靴と貼っていない靴

両方同じケンジントン。向かって左はハーフラバーなし、右はハーフラバーを貼っている

こちらの2つの靴は両方クロケット&ジョーンズのケンジントンという靴です。

クロケット&ジョーンズのケンジントン2足
クロケット&ジョーンズの謎の名作 ケンジントン2足をレビュー!

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両方レザーソールの革靴。
片方はオリジナルのまま、もう片方には薄いゴム底みたいなのが貼ってあります。

このゴム製のシートみたいなのがハーフラバーです。

ハーフラバーは上の画像のように、レザーソールの地面と接する部分に、上から貼り付ける形で使用します。

ハーフラバーを貼る目的とメリット・デメリット

ハーフラバーは上で説明したとおり、レザーソールの上から貼り付けて使用します。

小野
目的はソールの保護です

目的はこれではっきりしているのですが・・・

ハーフラバーにはメリット、デメリット両方あります。そのため革靴好きの間では

  • ハーフラバー貼る派
  • ハーフラバー貼らない派

の両方が存在してます。

ちなみにぼくは基本的に貼る派(ハーフラバーラバー)です。
上のフローチャートに則って、貼るかどうか決めてますけど。

よく指摘されるハーブラバーのメリットとデメリットを両方紹介します。

ハーフラバーのメリット4つ

ハーフラバーを貼ることのメリットとしてよく挙がるのは大きく分けてこの4つ。

4つのメリット

  1. ラバーだけ張り替えられる
  2. 滑りにくくなる
  3. 水に強くなる
  4. ソールにカビが生えにくい

メリット① ラバーだけ張り替えられる

小野
最大のメリットはこれでしょう

ハーフラバーはソールの保護を目的として張るものだと解説しました。
このあと解説するその他のメリットはあくまで副次的なものです。

ラバーだけ張り替えることができるので、レザーソールが減るペースを劇的に低下させることが可能です。

つまり、オールソールの頻度が極端に減ります

ソールのお手入れ
「10年履ける革靴」の秘訣はソールの手入れにある!と思う話

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こちらの記事でも解説しましたが、オールソール(靴底の全交換)の頻度は靴自体の寿命に直結します。

オールソールできる回数には限度があるためです。
頻度が低いほど、靴は長持ちする可能性が高い。

したがって、ハーフラバーを張ることで革靴がより長持ちします

メリット② 滑りにくくなる

小野
レザーソールは滑る

これマジでよく言われますよね。

歩き方による部分が大きいので、誰しもそうではないのですが・・・

レザーの上からゴムを張り付けるわけですので、確かに滑りにくくなります
特に塗れてる場所なんかは安心して歩けるかもしれませんね。

メリット③ 水に強くなる

こちらも同様です。

靴の接地面にゴムを貼り付けてるので、当然レザーソールのままよりは水に強くなると思います。

一番地面と触れ合う場所が直接水に触れなくなるため、水を吸いづらくなるのは想像に難くありません。

メリット④ ソールにカビが生えにくい

上で説明したように、ソールの接地面が直接水に触れないため、水分を含みにくくなります。

となると、乾かすのも楽です。

乾燥させやすくなりますので、カビ予防にもつながりそうです。

ハーフラバーのデメリット5つ

ハーフラバーを貼ることのデメリットとしてよく挙がるのは大きく分けてこの5つ。

5つのデメリット

  1. 歩き心地が損なわれる
  2. 革靴自体の履き心地が損なわれる
  3. 返りが悪くなる
  4. 通気性の悪化
  5. 見た目の悪化

デメリット① 歩き心地が損なわれる

レザーソールには、ラバーソールには無い独特の歩き心地があります。

特に、歩くときの「コッコッコッ」という音や、独特の「マフッ」とした地面を踏む感覚は何とも言えない心地良さ。

ハーフラバーを貼ると、これらは楽しめなくなると思っていいでしょう。

デメリット② 革靴自体の履き心地が損なわれる

ハーフラバーを貼ることを前提につくられる革靴は(ぼくの知る限り)存在しません。

通常のソールの上にゴムを貼り、ヒールには何もしない。

こんなことをしたら、もともとその靴が想定していた「前後の高さのバランス」が崩れます。

そうなると履き心地は変わっちゃいますよね。

たかだか1ミリやそこらでそんなに変わらないでしょ
浮かれてる人
楽観的な人

とか思うかもしれませんね。

小野
それが変わるんですよ

そもそも革靴って、サイズが5ミリ変わるだけで履き心地が全然違いますよね。

なんなら、靴下の厚さが0.5ミリ変わるだけでも履き心地は変わります

それと同じで、ハーフラバーを貼るだけでも靴の履き心地に影響はあります。
もし機会があったら、実際にご自身で履き比べてみてください。

小野
マジで違うから!

デメリット③ 返りが悪くなる

革靴の「返り」とは、

ソールの返り

こんな感じで、革靴の前方が上に向かって反り返ることを言います。

この「返り」には

  • より歩きやすくなる
  • つま先が削れにくくなる

などの効果があります。

ハーフラバーを貼ると、厚みが増す分この返りが付きにくくなるとされています。

デメリット④ 通気性の悪化

革とゴムなら、もちろん革の方が通気性に優れています

レザーソールの上からゴムを貼るわけですので、通気性が悪化するという意見が多いです。

デメリット⑤ 見た目の悪化

単純に「カッコ悪い」っていう意見ですね。
これもよく見かけます。

ハーフラバーを貼る条件とその理由

ここで、ハーフラバーのメリットやデメリットを踏まえたぼくの個人的な考えをご紹介します。

貼る条件

  1. 滑り止め効果だけが狙いなら貼るな
  2. 防水性だけが狙いなら貼るな
  3. レザーソールが好きなら貼るな
  4. 特に長持ちさせたい靴には貼れ
  5. 靴をいっぱい持っているなら貼らなくても大丈夫
  6. ビンテージシューズには貼った方がいい
  7. ハーブラバーのデメリットはあまり気にするな

まとめるとこんな感じ。

① 滑り止め効果だけが狙いなら貼るな

ヤンキー
ハーフラバーを貼ることでレザーソールは滑らなくなる!
だからハーフラバーを貼りましょう♪

みたいな記事、よく見ますよね。

小野
個人的にこれには反対です

ハーフラバー貼っても滑る靴は滑ります。笑

上の方で写真を載せたケンジントンがそうです。

ぼくはレザーソールで滑ったことがなかったので、別にこういったデメリットは感じていなかったのですが・・・

ケンジントンだけはマジで滑ります。

他のレザーソールの靴では滑ったことないのに、こいつだけはマジで滑る。

引用元:クロケット&ジョーンズの謎の名作 ケンジントン2足をレビュー!

こんな感じで、別の記事でも紹介してます。

ハーブラバーよりトップリフト(革靴の踵が地面に接してる部分)をゴム製にする方がよっぽど効果的です。

② 防水性だけが狙いなら貼るな

ハーフラバー貼っただけじゃ、大して水に強くならないと思ってます。

そもそも全面を覆っているわけじゃないですし、コバは水に触れますよね。

小野
地面が多少濡れてても大丈夫!

くらいの効果だと思っといたほうがいいんじゃないかというのがぼくの考えです。

③ レザーソールが好きなら貼るな

ハーフラバーを貼ると、どうしても

  • レザーソール特有の歩き心地
  • 革靴本来の履き心地

これらが犠牲になります。

これらが損なわれることが気になるなら貼らない方がいいでしょう。

小野
レザーソールが大好き
小野
その靴独自の履き心地を堪能したい

こういった気持ちに比べれば、「滑り止め効果」「防水性能」なんて些末な問題です。

存分にオリジナルのレザーソールを楽しみましょう。

④ 特に長持ちさせたい靴には貼れ

とはいえ、ハーフラバーのみの張替えによる「革靴の長寿命化」のメリットはデカすぎです。

何度も言いますがオールソールできる回数には限度があります。
頻度を減らせるというのはとても大きなメリットです。

特に長持ちさせたい、それこそ「一生履き続けたい」と思えるお気に入りの一足には、貼った方がいいかと思います。

⑤ ただし靴をいっぱい持ってるなら貼らなくても大丈夫

ハーフラバーはオールソールの頻度を減らせるので、靴の長寿化につながると紹介しました。

では、そもそもオールソールの頻度が低い環境ならどうでしょうか。

具体的には、革靴を多数保有していて履く頻度が低いなら貼らなくてもOKでしょう。

小野
同じ革靴を1か月に1~2回とかしか履かないなら、あまり気にする必要は無いように思います

⑥ とはいえビンテージシューズには貼った方がいい気がする

ビンテージシューズは話が別です

ビンテージシューズってのは、

1965フローシャイム
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クロケット&ジョーンズのケンジントン2足
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これらの記事で紹介したような、製造から数十年たっているような革靴たちです。

時の流れというのはすごいもので、見た感じ元気そうでも思わぬダメージが革靴に溜まってたりします。

ビンテージシューズは「いきなり靴底が剥がれた」とかいうトラブルがマジで起こるんです。

小野
「何もしてないのに壊れた」がガチであるのがビンテージシューズ

そんなリスクをはらんだ靴ですので、できるだけリスクヘッジすべきというのがぼくの考え。

ビンテージシューズはハーフラバーを貼ってあげた方が安心して長く履けるとぼくは考えています。

⑦ ハーフラバーのデメリットはあまり気にする必要ない

  • 履き心地が損なわれる
  • 歩き心地が損なわれる

これら2つのデメリット以外、ハーフラバーのデメリットは大したことありませんので気にしなくてOKです。

「返りが悪くなる」について

個人的にはこれ感じたことないんですよね・・・

ぼくは革靴の返りを良くしたいとき、手で一気にグニャッとやっちゃう派ですし。

手でグニャッっと

こんな感じ。(一部の人は怒ってるかも)
全部の靴にやるわけじゃないですよ!

履いてるうちに返りはちゃんと付きますので、気にしなくてよいと思います。

「通気性が悪くなる」について

ハーフラバーを貼った程度じゃ通気性に大した影響は無いと思ってます。

水分(汗)が蓄積することでインソールが劣化しやすくなる
心配
心配性な人

という意見も聞いたことがあるんですけどね。

しかし、ぼくとしては

  • ハーフラバーを貼らない

よりも、

  • ちゃんとローテーションして革靴を乾燥させる時間を設ける

この方がよほど重要だと思います。

ちゃんとローテーションして乾燥さえしていれば、汗の蓄積よりオールソールの頻度が減ることによるメリットの方が大きいかなと。

そもそもラバーソールの靴だって、ちゃんとローテーションしてあげれば10年20年と履けるんです。
ハーフラバー程度で問題にはならないと思っています。

下駄箱
【具体例あり】革靴は何足必要?の完全回答 靴が長持ちするローテーションの極意

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「見た目が悪い」について

見た目はそれこそ個人の好みによるので、ここでは言及しません。

小野
個人的には、むしろかっこいいラバーもあると思ってる

どうです?
このハーフラバー+トライアンフ、かっこよくないですか(4枚目です)。

ハーフラバーを貼るべきタイミング

では、ハーフラバーを貼るならどんなタイミングで貼ればよいのでしょうか

大きく分けて

貼るべきタイミング

  1. 買ってすぐ
  2. しばらく履いて返りが付いたとき
  3. 最初のオールソールのタイミング

この2つだろうと思ってます。

タイミング① 買ってすぐ

購入直後にハーフラバーを貼ることで、ソールをほぼ新品の状態を維持することができます

つまり、

  • ソールをより良い状態に保つことができる(革靴の寿命を最大化できるかも?)

これがメリットです。

デメリットとしては、

  • オリジナルのソールの状態を楽しめない
  • 返りが付いていない状態なので、履きこなすのに時間がかかる

こんな感じでしょうか。

タイミング② しばらく履いて返りが付いたとき

小野
ぼくのイチオシはこれです

購入後しばらくはオリジナルのソールを楽しみましょう。
返りが付いたころに、ハーフラバーを付けます。

メリットは

  • オリジナルのソールの履き心地を楽しめる
  • 返りをある程度付けてあるので、ハーフラバー後も履きこなしやすい

こんな感じ。

デメリットは

  • ソールにある程度ダメージが入る

くらいですかね。

ただ、個人的にはこのデメリットはあまり気にしてません。

というのも、ハーフラバーってソールを少し研磨して接着剤が付きやすくしてから貼るんですよ。

小野
どうせ削るなら、多少履いとく方がお得な気がする

こういう貧乏根性です。笑

タイミング③ 最初のオールソールのタイミング

できる限り長持ちさせたい。でも、もっともっとレザーソールの履き心地を楽しみたいよ!
革靴
革靴を愛しすぎて革靴になった人

こういうワガママな方にオススメなのが「最初のオールソールのタイミングでハーフラバーを貼る」です。

メリットはこんな感じ。

  • その靴の履き心地を堪能できる
  • オールソールすると多少履き心地は変わるので、ハーブラバーの影響がわかりづらい

デメリットは

  • オールソール+ハーブラバーによる一時的なコストの増加
  • オールソールの頻度を減らす効果が薄まる

こんな感じですかね。

まとめ:ハーフラバーはソールを保護する目的で貼ろう

以上が

  • ハーフラバーは貼るべきか、貼らざるべきか
  • 貼るなら、いつ貼るべきなのか

これらへの、ぼくなりの答えです。
まとめるとこんな感じ。

ぼくの結論

  • 「滑り止め効果」「防水性能向上」が目的なら、貼らない
  • 特に長く履きたい靴には貼った方がいい。
  • ただし靴をたくさん持っていれば貼らなくても大丈夫。
  • とはいえビンテージシューズは貼った方がいい
  • 貼る場合は、しばらくはオリジナルのソールを楽しんで、そのあと貼るのがオススメ

これらをもとに作成したのが、冒頭で紹介したフローチャートです。

今後も革靴を履いていく中で、ぼく自身の考えが変わる可能性もあります。
その際はフローチャートを含めて、内容を更新しようと思いますのでよろしくお願いします。

皆さまも、ご自身の革靴を大切にする中で、どうするのがよいか考えてみてください。
そのうえで今回の記事が少しでも参考になるようなら嬉しいです。

「いや、こうだと思う!」的なご意見もお待ちしておりますので、Twitter等でお聞かせいただければと思います。

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