こんにちは、小野です
突然ですが、皆さんは土地を選ぶ際にどのような点に注意していますか?
広さはもちろん、日当たりや前面道路の幅員なんかは確認しているという方が多いんじゃないでしょうか。
土地は家の間取りに大きく影響する他、将来的な資産価値も大きく左右します。
家の間取りはリノベーション等で後から変えられますが・・・
土地だけは後から変更できません。
ぼくは後悔したくなかったので、土地選びに関してはかなり勉強しました。
その結果、理想の土地を契約できたと思います。
今回はぼくが土地選びの際に意識していた10個のチェックポイントと、それを分析・確認するために利用していた便利ツールをご紹介したいと思います。
特に今回紹介するツールはほとんどすべて無料で利用できます。国が提供しているものもあって、使わないと損なツールばかりです。
ただしかなりボリュームのある記事(文字数1万字超えです)になってしまいました
隅々まで読むのは大変なので、興味のある部分だけ掻い摘んで読むほうが楽だと思います
最も大切なのは、家族内での優先順位決め
まず最初にお伝えしたいことがあります
それは、
完璧な土地なんて無い
ということ。
冒頭でお伝えした通り、この記事では土地のチェックポイントと、その分析・確認方法を紹介しています。
ですが、それら全てにおいて完璧な結果を出せる土地はおそらく存在しません。
すべてを満たす100点満点の土地を追い求めると、いつまでも家を建てることができなくなります。それでは本末転倒ですよね。
つまり、より重要なのは「自分たちに取って何が大切なのか、優先順位を決めること」です。
まずは土地を比較する上で様々なポイントがあることを理解しましょう。そのうえで、自分たち家族にとって、特に重要なのはどんな点かをよく話し合ってみてください。
土地の購入はスピード勝負になることがあります。
事前に家族で優先順位を決めておくと、よりスムーズに取引できます。それは不動産売買においてすごく有利に働くんです。
ぼくらも事前にしっかり話し合いをしていたおかげで、一瞬で「ここだね」と夫婦で意見が合致しました。
土地選びのポイント10選とそれぞれの確認・分析方法
それではいよいよ、土地選びのポイントと、それぞれの確認方法について解説していきます
かなり長くなるので、冒頭でご説明した通り、気になるところだけ読み込むことをオススメします。
ぼくが考える、土地選びにおいて重要なポイントは以下の10点です。
土地選びのポイント
- 高低差
- インフラ
- 近隣環境
- 接道状況
- 形状・境界
- 災害リスク
- 地歴・地盤
- 価格の適正性
- 自治体の土地活用計画
- 面積・建蔽率・容積率
ちなみに紹介するツールはほとんど無料のものです。使い倒しましょう!
土地選びのポイント① 高低差
- 建築時のコストアップ要因
- 階段が増えて生活利便性が下がる
- 日照・水害リスク等に大きく影響
土地の内部はもちろん、道路や周辺の土地との間に高低差があるかどうか確認してください。
平坦な土地と比べて基本的に工事費は高額。特に大きな擁壁がある場合は要注意です。
ただし高低差があることで日当たりが良くなったり、道路からの目線が気にならなくなったりすることも。
メリット・デメリットを把握して判断することが大切です。
現地を見て、周辺を歩いて確認するのが基本!
土地の中の細かい高低差や、具体的な高低差の大きさ(高さ)を確認するなら、実際に現地を訪れるのが一番良いです。
その土地をよく観察し、周囲を歩いてみるのがオススメ。
実際に観察すると、図面を見てるだけじゃわからないことにも気づきますよ。
購入前に必ず住宅会社に見てもらうべき
また高低差がある土地を購入する場合は、必ず契約前に住宅会社に確認してもらい、概算見積もりの作成を依頼してください。
高低差がある土地は工事費が高額になる傾向があります。
土地にお金を使いすぎて、理想のマイホームを建てられなかった・・・
こんな事にならないように、事前に「土地のために必要なお金はどのくらいか」を把握することをオススメします。
広範囲の確認は国土地理院地図が便利
候補地の周辺について、より広い範囲で高低差を確認したい場合は国土地理院地図がオススメです。
「ツール」にある「断面積」から、周辺の土地の高低差を確認できます。
以下の画像は、国会議事堂付近の高低差を調べたものです。
どこがどのくらい低いかが明確にわかりますよね。
これを活用すれば、例えば大雨が降ったときに、どの辺りに水が溜まりやすいかがすぐに分かります。
周囲よりも極端に低い場所にある土地を購入する場合、水害リスクが上がりますのでよく検討してください。
土地選びのポイント② インフラ
- 工事費に影響
- 生活費にも影響
- とても面倒な土地もある
「インフラ」ってのは
- 電気
- ガス
- 上下水道
などのことです。
これらインフラの整備にはとってもお金がかかります。
すでに整備済みなら建築費を大きく節約できるので、事前に確認しましょう。
インフラがない土地を購入する場合、整備にどのくらいの費用や手間がかかるかも把握する必要があります。
特にガスや水道がない場合、新規に引き込むのに100万円前後の費用がかかることもあります。
また、前面道路が私道だった場合、工事には権利者の同意が必要です。「全員の同意書を回収するのに数ヶ月かかった」なんて話もたまに耳にしますので、注意してください。
ちなみに、インフラは有無だけじゃなく、内容も大切です。
例えば水道。
水道管の太さには種類があります。細いもの(13mm)が入っていると、2階に水回りを持ってこれないかもしれません。
例えばガス。
プロパンガスだと都市ガスに比べてガス代が高額になりがちです。建築費は節約できても、生活費が上がってしまっては意味がありません。
不動産会社に土地の状況をよく確認してもらう
まずは不動産会社に土地の細かいインフラ状況をよく調べてもらいましょう。
インフラの整備状況や、その内容は必ず教えてくれるはずです。
また、前面道路が私道の場合は権利関係も確認してもらってください。
権利者全員で工事に関する覚書などを作成している場合はトラブルになりづらいと思います。逆にそういった書面がない場合、全員の同意がなければ工事できません。
現在の権利者が誰で、どこに住んでいるのか。そういった点を確認する必要があります。
住宅会社に見積もりを作成してもらう
インフラの新規整備や交換が必要な場合、その金額は不動産会社ではわかりません。
住宅会社に見積もりを依頼し、概算金額を把握してください。
特に本管(公道に埋設された水道管・ガス管など)から距離があると、かなり大規模で高額な工事になることがあります。
予算不足にならないよう、事前の確認はとても大切です。
土地選びのポイント③ 近隣環境
- 普段の生活がかなり変わる
- ご近所トラブルのリスク
- 子供の教育環境に影響
注文住宅を建てると、そう簡単に引っ越しはできませんよね。「終の棲家」になる可能性だって高いです。
そのため、近隣の環境は言うまでもなく大切。
- 住民
- 騒音
- 学区
- 日当たり
- 嫌悪施設の有無
などを確認して、家を建てた後に幸せな生活を送れるかどうかをチェックしてください。
住民の質や騒音については現地を歩くのが大切
もともと長く住んでるエリアでもない限り、
- 周辺にどんな人が住んでいるか
- 周囲に騒音を出す施設があるか
こういったことを事前に把握するのはとっても難しいです。
実際に何度か現地を訪れて、周辺の家を見てみたり、歩いている人に話を聞くしかありません。
ぼくは恥ずかしくてできませんでしたが、友人は普通にインターホンを鳴らして聞き取り調査したって言ってましたね
首都圏に住んでるなら「道路族マップ」
「道路族」って聞いたことありますか?
道路族(どうろぞく)は、主に自宅前やその周辺など、住宅街の道路(路上)において、大騒ぎをしながら遊ぶ子供、およびそれを注意しない親のことを指す俗語[1]。騒音やごみの散乱、器物損壊などにより、近隣トラブルとなるケースが生じる[1]。
道路族 - Wikipedia
Wikipediaによるとこんな感じ。要は公共の場所でのマナーに問題がある人たちのことですね。
程度によりますが、道路で遊ぶのは単純に危ないですよね。
子供の声って響くので、早朝や夜なんかだと、騒音の問題もあります。
そして他人の敷地に入ってくることもあるとなれば、余計にトラブルの原因になります。
そういう道路族の情報を共有するサイト「道路族マップ」があるので、参考にしてみてください。特に首都圏の情報が充実しています。
下の画像は国会議事堂の南方面の情報です(さすがに国会議事堂周辺に道路族は出没しないようです)。
けっこう細かい場所の情報とともに、どんな迷惑行為が行われているか記載されています。
学区の確認はGaccomや地盤サポートマップが便利
ぼくもそうですが、家を買う人って子育て中なことも多いですよね。
となると、子供の教育は気になると思うんです。
「学区で土地を選ぶ」って人も少なくないですし、それが将来的な資産価値につながると記載された書籍もたくさんあります。
- すでに土地の候補がある
- 通わせたい学校が決まっている
こういった場合はGaccomを使うのがオススメです。
希望の土地の学区や、希望の学校の学区を簡単に調べることができます。
まだ希望の土地や学校が明確になっていない場合は、地盤サポートマップの学区表示機能が便利です。
「生活情報」の「小学校区」等にチェックを入れると、地図上でどのあたりがどこの学校区なのかを表示してくれます。
以下は国会議事堂あたりの小学校区を調べたものです。
気になっているエリアを検索してみてください。
どの土地を買えばどこの学校に通うことになるのか、目安を知ることができます。
住宅会社に日当たりを見てもらう
土地への日当たりは近隣の建物の影響をとても大きく受けます。
良い家を建てるには、日当たりの確保が欠かせません。
そこで、土地の購入前に住宅会社に日当たりを確認してもらうことをオススメします。
住宅会社によっては「日影図」などを作成し、定量的に日当たりの良さを計算してくれるかもしれません。
嫌悪施設の確認はGoogleマップでの検索が便利
嫌悪施設とは、その存在が周囲の人から嫌われてしまうような施設のことを言います。
治安や匂い、騒音などの問題が発生することがあるので、日常生活の快適性に影響することがあります。
また嫌悪施設が近くにある土地は嫌煙されがちなので、資産価値にも関わってきます。
嫌悪施設の有無はGoogleマップでの確認が便利です。
Gooogleマップで気になっている土地の周囲を表示して、
- 風俗
- 工場
- 墓地
- 基地
- 刑務所
- 原子力
- 下水処理
- 廃棄物処理
- 火葬場(葬儀場)
などを検索してみましょう。近くにある施設が表示されるはずです。
もし嫌悪施設が見つかってしまったら、実際に現地を訪れて気になるか確認してみるなど、よく検討することをオススメします。
近隣住民を調査する「トナリスク」
プロの探偵さんに近隣住民を調査してもらえる「トナリスク」というサービスもオススメです。
ぼくはタイミングが合わず初回打合せのみで実際の利用はしなかったんですが、紹介しておきます
トナリスクでは、直接近隣の人に話をしに行ってくれます。隣人がどんな人かはもちろん、周辺環境も同時に調べてもらえるので便利です。
土地選びのポイント④ 接道状況
- 資産価値につながる
- 間取り・日当たりに影響大
- 指導の場合は権利面に要注意
土地の資産価値を決める重要なポイントが接道状況です。
- 前面道路は私道か、公道か
- 前面道路との接道は何mか
- 前面道路の幅員は何mか
これらの内容により、その土地の評価は大きく変わります。
とくに私道の場合や、幅員が狭い場合などは、権利面で揉めたり家を建てられなくなったりすることもあるので、注意しなければいけません。
不動産屋に確認してもらうのがベスト
気になった土地があったら、その土地がどのような道路にどのように接しているか、不動産会社に確認してもらってください。
私道・公道の区別や道路幅員はもちろん、私道の場合は権利関係も確認してくれるはずです。
住宅会社にも見てもらったほうが安心
道路の幅員が狭い場合、
- 駐車場が取れない
- 日当たりを確保できない
- 重機を使えず工事費が割高に
などの影響ができることがあります。
これらは住宅会社に確認しないとわかりませんので、土地の契約前に確認しておいたほうが良いでしょう。
接道幅をすぐに知りたいならGoogleアースが便利
土地の間口(接道幅)を知りたいなら、Googleアースが便利です。
候補地を検索して、距離の計測ツールを使えば、指定した箇所の長さを測ることができます。
※ ただし正確な値を知ることはできないので注意。
土地選びのポイント⑤ 形状・境界
- 間取りに影響大
- 住宅会社選びにも影響
- 隣人トラブルは絶対に割ける
きれいな正方形や長方形の土地のほうが、間取りの自由度が高く、住宅会社を選びません。
特に大手ハウスメーカーとの契約を考えているなら、きれいな形の土地のほうが有利です。
建築設計事務所なら複雑な形の土地も得意ですが、その分コストが上がる傾向にあります。
また土地には必ず境界が決められています。
「境界標」などで示されているのですが、古い土地だと埋もれたり、無くなってしまったりしていることがあるんです。
境界標がない土地は将来的に絶対トラブルになります。必ず境界を確定した状態で契約するようにしましょう。
基本は物件情報、最終的には自治体で確認
土地の購入を検討する上で、REINSなどにある物件情報は必ず確認すると思います。
多くの場合、土地の形状は物件情報に記載があるのでそれを確認しましょう。
また本気で気になった土地については、自治体の正式な書類を確認してください。
こちらも不動産会社や住宅会社に依頼すれば、公図などを取り寄せてくれます。
境界は必ず現地で確認するべき!無ければ売主に復元を依頼する!
現地で必ず境界標の有無を確認してください。
無い場合は必ず不動産会社を通して、売主に復元を依頼しましょう。
境界が曖昧な土地を買ってはいけません。
土地選びのポイント⑥ 災害リスク
- 家族と資産を守るためには必須!!
家が水に沈んだり、土砂崩れで流されてしまったら最悪ですよね。
そうなると一瞬で文無し&借金まみれになる可能性があります。
一部の災害は土地選びでかなり被災するリスクを下げられますから、土地を選ぶ際には確認しておくことをオススメします。
基本はハザードマップで確認!
「ハザードマップ」については多くの方がご存知ですよね。
ハザードマップ(英語: Hazard map)とは、自然災害による被害を予測し、その被害範囲を地図化したもの。
ハザードマップ - Wikipedia
各自治体が作成したハザードマップを一括表示できるポータルサイトが便利です。
以下は国会議事堂周辺の洪水浸水想定区域(想定最大規模)です。国会議事堂は(ギリギリ)水に沈まなくて済みそうですね。
ぼくとしては、上述のポータルサイトに加えて、自治体のサイトからも確認することをオススメしてます。
自治体によっては、その土地ならではの自然災害を想定した独自のハザードマップを作成しているからです。
その地域特有のハザードマップはポータルサイトでは確認できないので、ぜひ自治体のサイトから確認してみてください。
土地選びのポイント⑦ 地盤・地歴
- 地震への強さに直結
- 地盤改良費にも影響
- 過去の嫌悪施設も確認
皆さん御存知の通り、地盤の強さは地震への強さに直結します。
耐震等級に気を配り、いかに強い建物を建てても、地盤から崩れてはひとたまりもありません。日本に住む以上、地震への対策は怠ってはいけませんね。
また、もともとの地盤が強ければ地盤改良も不要になります。そうなれば、コストも抑えられてお得ですよね。
地盤の強さを知る1つのヒントになるのが、地歴です。
地歴とは、その土地が過去にどんな用途で使われてきたかということ。
過去にその土地がどんな状態だったかにより、地盤の強さが変わってくるんです。
例えば、以前は池や沼だったなら、地盤はユルユルかもしれません。田んぼや畑も、強い地盤にはなりにくいです。逆に山だった場所は地盤が強い傾向にあります。
そして地歴を調べると「昔は墓地だった」とかもわかることがあるんですね。
そういった、過去に嫌悪施設だった場所を避けたい場合などにも、地歴を知るのは役に立つのでオススメです。
地盤を知るなら地盤カルテが一番お手軽
地盤ネット株式会社が提供している「地盤カルテ」が超簡単&便利です。
候補地の住所を入力して検索することで、
- 地盤改良比率
- 浸水リスク
- 地震の揺れやすさ
- 土砂災害リスク
- 液状化リスク
これらをスコア化して総合点も判定してくれます。
ちなみに下記は国会議事堂の地盤カルテ。
さすがに地価はめちゃくちゃ高いですが、決して地盤が良いとは言えなさそうです。笑
地盤カルテの平均は63点らしいです。
気になった土地を調べたら、平均と比較してどのくらい良いか・悪いかでイメージを掴んでみてください。
地盤サポートマップやGEODASで過去の地盤時調査結果を確認
地盤サポートマップを使えば、過去に実際に行われた地盤調査の結果を簡易的に確認できます。
候補地の住所で検索し、「地盤情報」から「地耐力」を表示させればOKです。
以下は国会議事堂周辺のデータです。
やはり地盤が弱い場所が多いように見えますね。
またこれと同様のサービスにGEODASというサービスがあります。
こちらも住所をもとに地域を選んでいけば、近隣の地盤調査結果を閲覧できます。
地盤サポートネットよりも細かい地図で確認できるので便利です(少し使いづらいですけど)。
以下は国会議事堂周辺のデータ。やはり軟弱地盤で地盤補強工事を行った事例が多そうです。
なお、これらのサービスはあくまで参考程度と思ってください。地盤改良の有無は数メートルずれただけで変わってくるからです。
隣は地盤改良不要だったのに、うちは何で必要なの!?
ってことが普通にあるので注意です。
地歴の確認なら国土地理院地図が簡単でわかりやすい
日本の国土のことは国土地理院が一番詳しいです。
というわけで、地歴を簡易的に知るなら地理院地図が超便利です。
まずは候補地の住所等で検索。
「年代別の写真」の「時系列表示」にすると、同じ場所の過去の航空写真が見れます(年代を変えたい場合は上のスライドバーをクリックしてください)。
指定した住所の周辺で
- 以前はどんな建物があったか
- 以前はどんな環境だったのか
が写真で明確にわかって面白いです。
近くに大きな川があったり、最近まで田んぼだったりしたような土地は地盤が弱い可能性が高いですね。
あとは大規模墓地など、嫌悪施設っぽいものが写っていたら要注意です。特に工場があった場合は土壌汚染のリスクがあります。
地歴を知る上で今昔マップが超便利
現在の地図と過去の地図を並べて比較できる「今昔マップ」というサービスがあります。
航空写真ではなく地図で表示できるので、地図記号を確認すれば具体的にどんなものがあったのかまでわかります。
ちなみにぼくが契約した土地を今昔マップで確認したところ、
- 以前は針葉樹林だった
- 近くに竹林や果樹園があった
- (等高線的に)水がどのように流れていたか
といったことがわかりました。
本格的な調査も公的機関を使えばできます
さらに本格的な地歴調査をする場合、
本格的な地歴調査方法
- 国会図書館で過去の住宅地図を閲覧
- 法務局で閉鎖謄本を確認
- 各種公的届出を確認
こういった方法があります。
閉鎖謄本とは、古い登記簿のことです。
土地が文筆・合筆される前の状態までさかのぼって調べられるので、その土地をどこの誰がどのように使っていたかまで調べられます。
公的届出には「土壌温泉対策法」「水質汚濁防止法」「下水道法」などの届出が含まれます。
こうした履歴を調べることで、過去に汚染物質を使っていたかもしれない地歴を発見することができます。
ぼくも、さすがここまではやっていません。ただ地歴にこだわる方もいると思うので、そういう方向けに「こういう方法もあるよ」ということで。気になる方はやってみてください
土地選びのポイント⑧ 価格の適正性
- 価格交渉の材料になる
- 安すぎる土地は要注意
- 資産価値の目安にもなる
基本として、土地には相場というものがあり、大きく外れることはあまりありません。
なるべく相場通りに購入するのが、良い不動産取引だと思います。
相場より高すぎる土地は、家に回すお金がなくなり理想を実現できなくなってしまいます。
逆に相場より安い土地は、何かしらの問題がある土地なことが多いです。
周辺の土地相場を把握し、候補地の価格が妥当かどうかを確認してから買いましょう。
住宅会社に相場観について相談するのがオススメ
住宅会社は自分たちの施工エリアの土地相場をおおよそ把握しています。
気になった土地の価格が適正かどうか、住宅会社に相談してみてください。
ちなみに相談相手として、不動産会社の人はあまりオススメできません。
不動産会社の営業の中には、土地を買わせるために適当なことを言う人もいます。あまり信用しすぎないようにしましょう。
不動産情報サイトで自分の相場観を養うのも大切
土地を探している人なら、かなりの頻度でSUUMOやHOMESなどの不動産情報サイトを見てますよね。
候補地周辺の土地情報を見ていれば、大体の相場感がわかってくるはずです。
そうやって自分自身の相場観を養うのもとても大切だと思ってます。
相続税路線価からだいたいの相場価格を算出する
相続税や固定資産税の算出のため、すべての土地に国が一定の評価をつけています。
そのうちの1つが「相続税路線価」です。
全国地価マップというサイトで、候補地の住所を検索すると、相続税路線価を調べられます。
土地の前面道路に数字とアルファベットが書いてあるはずです。
例えば「50D」なら1㎡あたり5万円の相続税路線価ということになります(具体的な読み方は以下を参考にしてください)。
あとは候補地の広さを掛け算すれば、その土地全体の相続税評価額がわかります。
そして、その評価額の1.5倍前後が相場価格と考えてOKです。
ただしこれはあくまで目安です。
- 方位
- 高低差
- 人気度
など、土地の条件によっては実際の価格とかなり差が出ることもあります。
周辺エリアでの実際の取引価格を確認する
前述の通り、土地には相場があります。
したがって近くにある似たような条件の土地は、やはり似たような価格で売買されているはずです。
REINS Market Informationというサイトを使えば、過去に行われた実際の不動産売買について調べることができます。
- 最寄り駅
- 駅距離
- 売買価格
- 土地面積
- 建物面積
- 間取り
- 築年
- 契約時期
などの情報を閲覧できます。
気になっている土地と同じような条件の土地があれば、だいたい似た金額での売買となるはずです。
ちなみに国土交通省の土地総合情報システムでも同様のデータを閲覧できます。
両方見てみると良いですが、面倒なら使いやすい方だけでOKです。
土地選びのポイント⑨ 自治体の土地活用計画
- 今後の発展を予測
- 利便性や資産価値に影響
- 将来的な売却にも備えるべき
注文住宅を建てるとなると、その土地に何十年も住むって方が多いですよね。
購入後、その土地の周辺地域がどう変化していくかって、気になりませんか?
日用品店や飲食店など、お店の数の変化に応じて、利便性がどんどん増す土地もあれば、逆に不便になっていく土地もあります。
自分自身の生活しやすさにも大きく影響するのはもちろんのこと・・・将来的に売却する際の価格にもかなり関わってきます。
そのため、気になったエリアを自治体がどのように変化させていこうと考えているかは事前に確認しておくと良いです。
自治体で都市計画図を確認
「都市計画図」とは、自治体がその地域の都市計画の内容を地図上に示したもののことを指します。
その都市計画図の中で、まず見るべきは
- 市街化区域
- 市街化調整区域
の2つです。
結論として、ぼくは「市街化区域」を買うべきだと考えています。
もう一方の「市街化調整区域」は、自治体が「あまり人に住んでほしくないな」と考えているエリアです。
市街化調整区域は今後は衰退していく可能性が高いので、将来のことを考えて、あまり買うべきではないでしょう。
国土交通省で自治体の立地適正化計画の有無を確認!
国土交通省で、候補地の自治体が「立地適正化計画」を作成しているかどうか確認してください。
土地を買う予定の自治体が上記のページに載っていれば、立地適正化計画を作成済みです。
自治体のサイトで詳細を確認しましょう。
「立地適正化計画」には将来の人口予測を元に
- どのエリアに、
- どのようなインフラ整備をし、
- 居住地としてどこに誘導するか
といったことが書かれています。
立地適正化計画を元に、将来的に発展する可能性が高い土地を選ぶことをオススメします。
自治体で再開発計画や区画整理事業の有無と内容を確認!
大規模な都市開発をする場合、必ず自治体のサイトに計画が記載されています。
自治体のサイトにはこうした再開発計画や区画整理事業についてのページが必ずあるので、それを読めば直近で新しく開発されるエリアを把握できます。
そういったエリア近辺の土地を購入すれば、より便利になったり、地価が上がったりする可能性がありますね。
また宅地の整備状況もわかるので、不動産会社に確認すれば、より早く・有利に新規分譲地の情報が手に入るかもしれません。
土地選びのポイント⑩ 面積・建蔽率・容積率
- 理想を実現できる土地を買うべき
せっかく素晴らしい土地が手に入っても、そこに理想のマイホームが建てられなければ意味がありませんね。
土地に建てられる家の大きさは、その土地の面積・建蔽率・容積率でおおよそ決まります。
マイホームの理想を明確にして、それを実現できる土地を探しましょう。
住宅会社と理想のマイホームについて話し合いながら進める!
マイホームで実現したいことって人それぞれです。
- 平屋で生活したい
- 駐車場が3台分欲しい
- 大きな庭で犬を遊ばせたい
などなど、理想のマイホームに求めるものを整理してください。
それを住宅会社に伝えれば、家に必要なおおよその広さ・大きさを教えてくれます。
また、土地の候補が見つかったら、住宅会社に相談してください。
理想のマイホームを建てられる土地かどうか、確認してくれるはずです。
まとめ:優先順位を決めつつ、しっかりした事前調査で満足行く土地を契約しよう!
土地選びのポイント
- 高低差
- インフラ
- 近隣環境
- 接道状況
- 形状・境界
- 災害リスク
- 地歴・地盤
- 価格の適正性
- 自治体の土地活用計画
- 面積・建蔽率・容積率
土地検討時のポイントと調査方法をまとめました
いやー・・・疲れました。笑
なんか漏れがありそうです。
ぼくは自分で土地を探すにあたって、今回紹介した方法のほとんどを実践しています。
だからこそ、家族内でも意見が割れること無く、スムーズに理想の土地を契約できました。
ちなみにこの記事の執筆時点で契約から3ヶ月ほどが経過していますが・・・
今でもたまに土地情報を見てますけど、ぼくが契約した以上の土地は出てきていません。
事前に十分な勉強と調査をして本当に良かったです
今回紹介した内容を全部をやる必要はありません。
それでも、後悔の無いよう、しっかりとした検討をされることをオススメします。