Webディレクターは働く会社によって役割が違うので、身につく能力も変わります。
Webディレクターの種類と違い
- 大きく制作会社で働く場合と事業会社で働く場合がある
- 前者は制作業務がメインなのでディレクション能力が身につく
- 後者は運用業務がメインなのでディレクション以外の能力が身につく
自分がどんなWebディレクターになりたいかに応じて、柔軟にキャリアを積むことが大切です。
ぼくは両方の会社で働いたことがある現役のWebディレクター。今は事業会社で働いてます。
Webディレクターの2つの種類
Webディレクターの仕事内容は働いている会社によってぜんぜん違います。
まずは会社の属性によって、大きくこの2つの種類に分けられます。
Webディレクターの種類
- 制作会社のWebディレクター
- 事業会社のWebディレクター
「制作会社」と「事業会社」の違い
そもそも「制作会社」と「事業会社」が何なのかと言いますと、こんな違いがあるんです。
制作会社と事業会社の違い
- お金の稼ぎ方が違う
- サイトの所有者が違う
違い① お金の稼ぎ方が違う
- | お金の稼ぎ方 |
---|---|
制作会社 | 他社のWebサイトをつくって稼ぐ |
事業会社 | つくったWebサイトの利用料等で稼ぐ |
制作会社がWebサイトをつくることで直接的にお金を稼ぐのに対し、事業会社ではサイトを作ったところから商売が始まります。
違い② サイトの所有者が違う
- | つくったサイトの所有者 |
---|---|
制作会社 | 他社(依頼した会社) |
事業会社 | 自社 |
事業会社は自分たちの商売道具としてサイトをつくるので、当然持ち主も自分たちになります。
制作会社はつくり終わったらそこで終了。
そこから先はノータッチというケースが多いです。
制作会社のWebディレクター
制作会社で働く場合、Webディレクターの業務の中心はもちろんWeb制作です。
とにかくサイト制作の場数が多いので、Webディレクション自体の能力は制作会社のWebディレクターの方が高い傾向にあります。
主な仕事内容の例
- ヒアリング・要件定義
- 進行・品質・納期管理
- 各種ドキュメントの制作
Webサイト制作における各種仕事がメインとなります。
ぶっちゃけマジで地味な仕事が多いです。(Webディレクターの仕事って全般的に地味だけど)
事業会社のWebディレクター
事業会社で働く場合、Webディレクターの業務の中心は「いかに利用者を増やすか」「いかに売上を伸ばすか」という点に置かれます。
事業会社のWebディレクターにとっては、Web制作はあくまで手段の1つ。
分析やマーケティング施策の企画、推進など、Web制作以外の能力は圧倒的に事業会社のWebディレクターの方が高いです。
主な仕事内容の例
- 分析・施策立案
- 施策の要件定義
- 進行・品質・納期管理
Web制作ももちろん行いますが、機会は制作会社に比べて少ないです。
どちらかと言えば改善がメインで、売上を伸ばすための各種施策の企画と実行が主な業務となります。
それぞれの特徴を比較【メリット・デメリット】
それぞれのWebディレクターの概要はわかったと思うので、次はもう少し細かいところの比較をしていきます。
- | 制作会社 | 事業会社 |
---|---|---|
① 制作機会 | 多い | 少ない |
② 運用機会 | 少ない | 多い |
③ 忙しさ | 超多忙 | 多少は楽 |
④ ディレクター数 | 多い | 少ない |
⑤ 入社難度 | 低め | 高め |
⑥ 給料 | 低め | 高め |
それぞれのWebディレクターの特徴はこんな感じ。
特徴① 制作機会
Webサイトをつくる機会は圧倒的に制作会社の方が多いです。
従って、制作やディレクション自体に関する知識・スキルは制作会社のWebディレクターの方が高い傾向にあります。
またクライアントワークが中心なため、事業会社のWEBディレクターよりコミュニケーション力が高い人が多いです。
特徴② 運用機会
Webサイトの運用を行う機会は圧倒的に事業会社が多いです。
運用による成果こそが仕事の評価に繋がるので、スキルとして身につきやすいと言えます。
逆に制作会社にいると、運用の経験をほとんど積むことができません。
保守契約したり簡単な運用を行うケースもありますが、成果を確約することはほぼありません。従って、運用スキルは身につかないと思ってOKです。
特徴③ 忙しさ
でもどちらかと言えば、事業会社のWebディレクターの方がまったり仕事ができることが多いです。
社内で納期を決められるので、スケジュール調整が容易ですから。
逆に制作会社のWebディレクターは基本的に多忙。抱える案件数が多く、また社外から来る電話やメールの対応に追われることもしばしばです。
特徴④ ディレクター数
同じ人数の会社同士で比べれば、制作会社の方がWEBディレクターの数は多いです。
ディレクターが多いと、こういったことがやりやすいので有利ですね。
- 経験の共有
- 仕事量の調整
- 教育体制の整備
事業会社はギリギリの数しかWebディレクターがいないことがほとんどなので、この辺の融通は効きづらいです。
特徴⑤ 入社難度
WEBディレクターとして入社するのは制作会社の方が簡単です。
事業会社はそもそもWebディレクターの採用数自体が少なく、教育体制も整っていないことが多いです。
なので事業会社では基本的に即戦力を求めており、入社難度は高くなります。
特徴⑥ 給料
事業会社の方が給料は良いことが多いです。
制作会社はいわゆる「労働集約型」のビジネスモデルですが、事業会社はサービスの仕組み次第で効率よく売上を伸ばすことができます。
従って一般的に制作会社よりも事業会社の方が利益率が良いため、それが給料にも反映します。
どんなWebディレクターになりたいかで選ぶ
Webディレクターは働く場所によって大きく役割が異なります。
なので、自分がどんなWebディレクターになりたいかで働く会社を変えましょう。
制作のプロになりたいなら制作会社
Web制作のプロとして、第一線で戦い続けたいなら制作会社です。
場数が多く、常に最新技術に触れられます。
プロとしての技術・知識を育成・維持しやすい環境です。
サイトを育てたいなら事業会社
自分がつくったサービスを多くの人に使って欲しい、という方は事業会社がオススメです。
サービスを育てる過程を学ぶことができます。
また将来的に自分でサービスをつくり、企業や独立をしたいと考えている場合も、事業会社で経験を積むと良いです。
両者を行き来する場合も
数年おきに制作会社と事業会社を行ったり来たりする方もいます。
Webディレクターとしてのスキルを伸ばすうえで、こういったキャリアの積み方は有効です。
それぞれ一長一短あり、身につく技術・知識が異なります。すべてを学ぶためには両方のWebディレクターを経験するのが早いです。
自分がどんな存在になりたいかを考えて、柔軟にキャリアを築いていきましょう。
まとめ:それぞれの特徴を把握して働く会社を選ぼう
Webディレクターの種類と違い
- 大きく制作会社で働く場合と事業会社で働く場合がある
- 前者は制作業務がメインなのでディレクション能力が身につく
- 後者は運用業務がメインなのでディレクション以外の能力が身につく
Webディレクターは自分のなりたい姿に合わせて、働く場所を柔軟に変えていくべきです。
自分のなりたい姿に近づくためにも、それぞれの違いや特徴を把握したうえでキャリアを積み上げていきましょう。
ちなみに未経験からWebディレクターを目指す場合は制作会社から始めるのがオススメ。詳細はこちらの記事で解説したので、ぜひ参考にしてください。