こんな方のために、ぼくが実際にヤスリで補修を行った体験談をこの記事に残したいと思います。
最後まで読めば、ヤスリで革靴を補修する方法がわかると思います。
お気に入りの靴にひび割れが!!!
ある日、お気に入りの靴にひび割れ(以下、クラック)があることに気づいてしまいました。
何気に、クラックが入ったのって初めてなんですよ。
しかもこの靴、ぼくが初めて買ったヴィンテージシューズで、ぼくと同い年というおまけ付きの、とっても大切にしている靴なんですね。
ヴィンテージシューズは思いがけないトラブルが多いとはいえ、ショックです。
捨てるなんてありえません。
だからと言って、このまま放置することもできません。
調べてみたところ、ヤスリを使ってクラックを治すことができるようなので、自分でチャレンジしてみました。
参考にしたのは以下の記事です。
ただこの記事、補色周りについては書いてなかったので、その辺は自己流です(昔から美術は5でした)。
さぁ! 行ってみましょう!
クラックの補修に必要なもの
クリーナー
ヤスリがけ前後に、クラック部分の汚れを除去するために使います。
今回はレノマットリムーバーとステインリムーバーの2つを使いました。
保湿剤
クラックの原因は乾燥であることが多いです。
ですのでクラックの補修が終わったらしっかり保湿が必要です。
今回はブートブラックのリッチモイスチャーを使いました。
各社のデリケートクリーム等でも大丈夫だと思います。
布(綿100%)
クリーナーを塗ったりするのに使います。
紙ヤスリ(400・600・1000・2000)
今回の主役、紙ヤスリを用意します。
ホームセンターとか、文房具店で売っています。
番号が小さいものほど目が粗く、しっかり削れます。
一方、番号が大きいもので磨くと、表面が滑らかに仕上がります。
今回は
- 400番
- 600番
- 1000番
- 2000番
の4種の紙ヤスリを用意しました。
まずは400番で磨き、徐々に番号が大きいものすることで、表面を滑らかにしていきます。
馬毛ブラシ
ヤスリで削った後、余分な削りカス等を除去するためのブラッシングに使います。
普段のお手入れで使っているもので大丈夫です。
アドカラー
革靴をヤスリで削ると、革の表面が失われることで色が脱色してしまいます。
アドカラーを使って、剥げてしまった色を補色することが狙いです。
こちらはあのコロンブスさんの商品なので、安心して使えますね。
革靴と同じ色味をつくるため、近い色を複数用意してください。
- 濃茶
- 薄茶
- 赤茶
- 青
- 黄
- 黒
今回は初めてで不安だったので、メッチャ用意しました。
自分でやってみてわかったのですが、どんな色の靴でも「黒」は必須です。
と思ってたんですが、普通のブラウンくらいです。
濃い色の場合、黒が無いとちょうどよい色をつくれません。
パレット、ちょっとした容器、筆
パレットはアドカラーを混ぜてちょうどよい色をつくるのに使います。
無ければ、その代わりになるものなら何でもよいです。
容器は、色味の調整が終わったアドカラーを水で薄めるのに使います。
筆は色味の調整や実際に塗るのに使います。
小さめの平筆がやりやすそうだと思いました。
革靴にできたひび割れ(クラック)を補修する手順
それではクラックの補修をしていきます。
手順はこんな感じ。
クラックをヤスリで治す手順
- 汚れ落とし
- ヤスリがけ
- カス・汚れを除去
- アドカラーで色づくり
- つくった色で補色する
- クリーム・オイルで保湿
- 通常の靴磨きで仕上げする
手順① 革靴の汚れを落とす
まずはレノマットリムーバーで革靴をすっぴんにしました。
そもそもクラックの原因は乾燥。
補修が終わり次第、しっかりと全体を保湿するため、一度すべての汚れをリセットします。
やり方は下記が参考になります。
-
最強靴クリーナー、レノマットリムーバーで革靴をすっぴんにする方法
続きを見る
手順② ヤスリがけ
いよいよです・・・!
まずは400番のヤスリを使ってひび割れ部分を削っていきます。
ゴシゴシ・・・ゴシゴシ・・・
400番で削り終わったのがこちら。
ただ、やはり革が削れたことで色が剥げてしまっていますね。後で補色するので大丈夫です。
クラックが消えたら、表面を滑らかにするため、徐々に番号の大きいヤスリで磨きます。
今回は400→600→1000→2000の順番で磨き上げました。
すべて終わったのがこちら。
写真ではわかりませんが、400番だけで磨いた後より、表面がかなり滑らかです。
色剥げは結構目立ちますね。
手順③ 余分な汚れを除去
ブラッシングで削りカスを吹っ飛ばす
磨いた後は削りカスがたくさんついています。
削りカスを取り除くため、馬毛ブラシでブラッシングしましょう。
クリーナーで汚れ落とし
次に、クリーナーを使ってさらに汚れを除去します。
これから補色をしていくので、汚れを色の中に取り込まないよう、できるだけ落としておこうと思います。
ぼくはステインリムーバーを使いました。サフィールノワールのレザーバームローションとか、保湿も同時にできるクリーナーでもよいかもです。
クリーナーを塗ると、こんな感じで色が濃くなるので色剥げが目立たなくなります。
ただ、これは乾いたら元通りになってしまいます。
この後の工程でしっかり補色しましょう。
手順④ アドカラーでちょうどいい色味を作る
アドカラーを複数色パレットに取り、革靴を同じ色味になるよう調整しましょう。
色づくりのコツ
- 少しずつ足す
- 部屋を明るくする
- 室外でも確認するとベスト
色づくりとしては、少しずつ混ぜていくとちょうどいい色をつくりやすいです。
重要なのが部屋を明るくすること。できれば室外でも色味を確認してください。
できるだけ革靴の色に近い色にすることで、「塗った跡が目立つ」みたいな失敗を防げます。
ちなみに「濃茶」「薄茶」「黄」とか買いましたが、一切使いませんでしたw
今回の靴は濃いバーガンディでしたが、「赤茶」「青」「黒」の3色で色は完成です。
手順⑤ つくった色で補色
アドカラーを水で薄める
つくった色をそのまま塗ると、おそらく厚塗りになって跡が目立ちます。
ですので水で薄めてから塗ります。
- 容器に水を入れる
- 筆でアドカラーを水に足す
こんな感じで薄めてください。アドカラーを全部水に入れるのは避けましょう。
つくった色を残しておくと、後から微調整できて便利です。
目立たない場所で色味を確認
目立たない場所に実際に塗ってみて、色が合っているか確認します。できれば室外でできるとベスト。
赤丸の部分に塗ってあるのですが、全くわかりません。
こんな感じで、塗った部分が悪目立ちしなければ問題なしです。
ヤスリがけした場所に塗る
それではヤスリがけした場所にアドカラーを塗ります。
まずは薄めたアドカラーを筆に取り、ティッシュで余分な水分を取り除きます。
そしたら、先ほどヤスリが消した場所に色を塗っていきます。
こちらが一度塗り終わった状態です
乾かして塗り重ねる
アドカラーを塗り終わりましたら、10~20分ほど風通しの良い場所に放置して乾かします。
1回だけ塗って終了でもOKです。
が、できれば重ね塗りをした方がいいと思います。
こちらは【塗る→乾かす】を3度くらい繰り返した状態です。
手順⑥ オイル・クリームで保湿
ヤスリがけでかなりの負荷をかけてしまいました。
そもそもクラックが入るくらい乾燥しておりますので、しっかり保湿します。
今回はブートブラックのリッチモイスチャーを使って保湿しました。
レーダーオイルとかでもよいと思います。
やり方は下記が参考になります。
手順⑦ 通常の靴磨きで仕上げ
仕上げに靴磨きをすれば完了です。
Before / After
ただ、少々ヤスリがけが不十分だったようで、傷跡が少し残っています。まぁこのくらいなら許容範囲です。
そもそもクラックが入らないように日ごろから気を付けよう
ぼくの不注意から、大切な革靴にクラックを作ってしまいました・・・。
今回のような対処をすることで、多少のクラックなら補修できます。
しかし、クラックが深いとヤスリでは削り切れず、治すことが不可能になってしまうかと思います。
なので日ごろのお手入れをしっかりして、クラックが入らないように気を付けることが一番大切です。
革靴の手入れについては下記の記事で網羅しましたので、ぜひ参考にしてください。
-
【永久保存版】目的別・革靴の手入れ内容と頻度を総まとめ【月イチ?】
続きを見る
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