革靴のお手入れ歴10年のぼくが、これらの悩みの解決法を完全解説します。
この記事を読めば、
- 革靴の丸洗い以外の対処方法
- 革靴の正しい洗い方
がわかるはず。
革靴も自分で丸洗いできます
革にとって水は大敵。
そういったイメージがありますから、不安に思いますよね。
革はもともと生物の皮膚でできてます。ぼくらがお風呂に入るように、革だって水に濡れても平気なんです。
この記事で紹介する正しい手順を踏めば、革の風合いを保ったままカビや汚れ、臭いを丸洗いでスッキリ落とすことができます。
革靴を丸洗いする際の3つの注意点
とはいえ、ぶっちゃけ革が水に弱いというのは事実です。
革靴を丸洗いする際は、以下の注意点に気を付けてください。
革靴を丸洗いするときの注意点
- 丸洗いできる革とできない革がある
- 色落ちしやすい革はやめとけ
- ヴィンテージシューズは避けた方がいい
1つずつ解説します。
注意点① 丸洗いできる革とできない革がある
丸洗いできる革
- 牛革
- 豚革
- 馬革
こういった、家畜で飼われてるような一般的な動物の革であればおおよそ丸洗いできると思ってOKです。
一方、
丸洗いは避けた方がいい革
- エナメル
- ヌメ革
- エキゾチックレザー
これらの革でできた革靴は丸洗いが難しいです。
ただしエキゾチックレザーの中には丸洗いできるものもあります。サメ革(シャークスキン)とかです。
-
70年代のアレンエドモンズ 激レアなサメ靴を買いました
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ただ洗える革かどうかの判断はとても難しいです。
注意点② 色落ちしやすい革はやめとけ
パステルカラーなど、極端に薄い色の革は色落ちのリスクがあるので丸洗いは避けましょう。
ちなみに色が濃い革なら絶対大丈夫というわけでもないので注意が必要。
乾燥や経年による色落ちが激しいと感じるような革は、丸洗いしない方が無難です。
注意点③ ヴィンテージシューズは避けた方がいい
丸洗いは革靴へのダメージがかなり大きいお手入れです。
ヴィンテージシューズはそのダメージに耐えられない可能性があります。丸洗いは避けてください。
具体的には、30年以上前に作られたような革靴は丸洗いしない方がいいです。
革靴を丸洗いする前に試したいこと
上で解説したとおり、革靴の丸洗いにはいくつかの注意点があります。
リスクがあるお手入れなので、自信がないならやらない方がいい。
丸洗いの前にできることがないか確認するのが重要です。
臭いが気になる場合
革靴の臭いが気になって丸洗いを検討している場合は、
-
【保存版】革靴の臭いを完全除去する方法と予防策を総まとめ
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この記事で臭い対策について解説したので、丸洗い以外の方法はまずは試してみてほしい。
カビが生えてしまった場合
モゥブレイのモールドクリーナーを使えばカビをキレイに落とせるかもです。
使い方は商品に書いてあるので、一度お試しください。
プロに頼むのも1つの方法
他の方法じゃ解決しなかった場合でも、
- 自信がない
- 絶対に革の風合いを壊したくない
こういったときは、無理せずプロに任せるのがオススメ。
クリーニングメニューのある靴の修理屋さん等に持ち込んでみてください。数千円くらいでやってくれることが多いです。
革靴を丸洗いするのに必要なもの
それでも自分で洗いたいという方は、頑張って自分でやってみましょう。
革靴の丸洗いに必要なものまとめ
- 革製品専用の洗剤
- 馬毛ブラシ
- バケツ
- スポンジ
- 使い古しの歯ブラシ
- タオル
- 新聞紙
- 水性クリーナーと布
- シューキーパー(シューツリー)
- デリケートクリーム
- 靴磨きの道具
革製品専用の洗剤
革靴を洗うための洗剤が必要です。
実は普通のボディソープでもできなくはないです。でも失敗が少ないので、ぼくとしては専用の洗剤を用意したほうがいいと思います。
通常の革(起毛レザー以外)の場合
起毛レザー以外の革の場合、サドルソープが圧倒的にオススメ。
プロも使ってる革製品専用洗剤です。今回も使ってます。
起毛レザーの場合
起毛レザーはこのように見た目が毛羽立った感じの革のことです。
起毛レザーの種類
- スエード
- ヌバック
- ベロア
こういった種類があります。
起毛レザーは洗った後再度毛を起こすのが難しいので必ず専用のものを用意しましょう。
馬毛ブラシ(豚毛ブラシ)
最初にホコリなどを除去するのに使います。
スエードの場合は馬毛じゃなく豚毛ブラシを使うものオススメです。
バケツ(タライ)
スポンジ
柔らかめがオススメです。
激落ちくんなど、研磨剤が含まれてるようなものは避けてください。
使い古しの歯ブラシ
タオル
確実に汚れますんで、汚くなっても大丈夫なものを用意してください。
嫁のお気に入りのタオルとか使おうものならやばいことになりますので注意。
新聞紙
乾かすのに使います。
ネットで文字が印刷されてない新聞紙が売ってるので、それを買うのもあり。
水性クリーナーと布
丸洗いする前に、簡単に汚れ落としをするのに使います。
モゥブレイのステインリムーバーがオススメです。
シューキーパー(シューツリー)
型崩れを予防するために使います。
プラスチック製もありますが、個人的には木製のものがオススメ。
デリケートクリーム
極端に革靴が乾燥するのを防ぐために使います。
靴磨きの道具
丸洗いすると革靴はすごく乾燥します。そのため丸洗いの後に靴磨きをするので、その道具が必要です。
水分・油分を十分に補給するために中級者以上向けの靴磨きをしてください。
具体的な道具とやり方は下の記事を参考にしてください。
-
【中級者以上向け】革靴をより長持ちさせる靴磨きの方法を解説する
続きを見る
革靴の正しい洗い方
それではいよいよ、具体的な洗い方を紹介します。
革靴の正しい洗い方まとめ
- 靴紐を取って馬毛ブラシをかける
- クリーナーで汚れを落とす
- ぬるま湯に革靴を漬ける
- 洗剤で全体を洗う
- 歯ブラシで細かい部分を洗う
- 泡を洗い流して水気を切る
- 新聞紙を詰めて陰干し
- シューツリーを入れてデリケートクリームを塗る
- 完全に乾いたら靴磨きをして完成
手順① 靴紐を取って馬毛ブラシをかける
靴紐を完全に取り外してください。
その後馬毛ブラシでブラッシングし、ホコリなどの細かいゴミを落とします。
手順② クリーナーで汚れを落とす
指に巻いた布にクリーナーを染み込ませ、靴全体を拭き上げます。
布にクリーナーを染み込ませる際は10円玉くらいのシミができるくらいで十分です。
簡単な汚れをあらかじめ水性クリーナーで落とすことで、丸洗いのとき過度にゴシゴシやらなくて済みます。
革靴のダメージが少しでも軽くなるよう、事前にクリーナーを使うのオススメです。
手順③ ぬるま湯に革靴を浸す
大きめのバケツにぬるま湯をため、そこに革靴をぶち込んでください。
浸かったら、汚れを浮かすために5~10分ほど放置します。
革靴が浮いてきてしまう場合は靴底側を上にすると浸かりやすいです。
こんな汚かったの?ってくらい汚れが落ちるので、楽しみにしててください。
手順④ 洗剤で全体を洗う
スポンジを使って全体を撫でるように洗う
まずはスポンジに専用洗剤を染み込ませ、泡立ててください。
それで革靴全体を洗っていきます。
もちろん靴の内側も。
ゴシゴシやるのはNG。革靴にダメージが入ります。
全体を洗うとこんな感じ。靴が泡立ってるの見るとウケます。
歯ブラシで細かいところを洗う
次に歯ブラシで細かいところを洗っていきます。
- アッパーとコバのスキマ
- 縫い目
- 穴飾り
など、汚れやホコリがたまりやすい細かい部分は特に丁寧に洗ってください。
手順⑤ 泡を洗い流して水気を切る
全体を洗い終わったら、再度キレイなぬるま湯で泡を流しましょう。
ここでも、こすったりしないように注意してください。
サドルソープなどの専用洗剤を使っている場合、泡に保革成分が含まれているので軽く流すくらいで大丈夫。
泡で落ちた汚れが取れるので、ここでもかなり水が汚れてウケます。
泡が落ちたら、タオルで軽く水気を切ってください。
ちなみに上で説明した通りかなり汚い水が出ます。今回は風呂場でやってますが、
- ベランダ
- 駐車場
など、家の外でできる人は外でやった方が、嫁の怒りは買いにくいです。
手順⑥ 新聞紙を詰めて陰干し
正しい革靴の乾かし方
- 革靴に新聞紙を詰める
- 風通しのいい日陰に置く
- 靴底が空気に触れるようにする
- 半渇きになるまで干す(1~2日くらい)
こんな感じで乾かします。
数時間おきに様子を確認し、新聞紙が濡れてたら取り替えてください。
NGな乾かし方
乾かすときに無理な乾かし方をする人が多いです。
ありえない乾かし方
- 直射日光に当たる場所で乾かす
- ドライヤーで乾かす
- 乾燥器で乾かす
こういった乾かし方をすると急激に乾燥が進みヒビ割れの原因になります。
手順⑦ シューツリーを入れてデリケートクリームを塗る
革靴が半渇きになったら新聞紙を取り除き、代わりにシューツリーを入れます。
シューツリーを入れたら、デリケートクリームを塗ってください。乾燥しすぎてひび割れするのを防ぐためです。
塗り終わったら、乾燥しきるまでしばらく放置。
手順⑧ 完全に乾いたら靴磨きをして完成
丸洗いすると革靴に必要な油分が落ち、そのせいで水分も失ってしまいます。
先ほど塗ったデリケートクリームだけでは水分・油分が少し足りないです。なので靴磨きをします。
以下の記事で紹介している靴磨きなら、水分と油分を十分に補給できます。
-
【中級者以上向け】革靴をより長持ちさせる靴磨きの方法を解説する
続きを見る
レザーソールの革靴の場合
丸洗いしたのがレザーソールの革靴の場合、ソールにも栄養補給が必要です。
下の記事を参考にソールのケアをしてください。
-
「10年履ける革靴」の秘訣はソールの手入れにある!と思う話
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コバが色落ちしてしまった場合
コバが色落ちしてしまった場合、コバインキを使って補色してください。
やり方は下記で解説してます。
-
コバインキの使い方まとめ 革靴のコバを最高にキレイにする方法
続きを見る
革靴を洗うべきタイミングと頻度
革靴を洗うべき時
- 汚すぎるとき
- ヤバイ臭いがするとき
- カビが生えたとき
- 頑固な水シミができたとき
丸洗いはこういったトラブルが起きたときに有効です。
洗いすぎは革靴によくないので、半年~1年に1回くらいに抑えるようにしてください。
まとめ:革靴の丸洗いを覚えれば怖いものなし
革靴を丸洗いできるようになると、頑固な汚れやニオイ、カビなどに自分で対応できるようになります。
それに丸洗いって初心者にとってかなり怖いです。
あまり頻繁にやるべきお手入れではありませんが、いざというときはこの記事を参考にやってみてください。
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